「新型メルセデス・ベンツ Sクラス」ブランドの叡智を結集したフラッグシップ! これが高級車の新基準

新技術や新機能や新機構がこれでもかというくらい投入されている

インテリアのコンセプトは自宅と仕事場や出先をつなぐ 「第三の場所」 で、リラックスしてくつろげる空間作りがされている。音声認識システムのMBUXはさらなる進化を遂げ、対象認識言語は27ヵ国語、日本人が話す英語のような非ネイティブにもAIを利用した学習機能で対応し、使うほどに認識率が高まるという。

ふたつの液晶を一体型にしていたこれまでのスタイルから一転、メーターパネルとセンターディスプレイを分けた。エアコン操作を含め、ほとんどの機能はタッチパネルで行うため、機械式スイッチは激減している。

センターディスプレイには有機ELを採用。操作は基本的にタッチパネルで行なうため、センターコンソールからダイヤル式のコマンドスイッチは姿を消している。

さらに乗員の座っている位置を認識して、例えば後席右側の乗員が 「DVDの再生」 といえば後席右側のディスプレイのみにDVDが再生される。前席には最大19個のモーターが内蔵され、より最適なシートポジションの設定が可能となり、マッサージプログラムは計10種類が用意される。「エナジャイジングコンフォート」は車内環境をドライバーのストレスや要望に合わせて協調制御するもので、ディスプレイのグラフィックやシートポジションやマッサージプログラムや音楽などを最適化する。専用のアプリに健康状態をあらかじめ入力しておけば、それもシステムのアルゴリズムに反映されるそうだ。この他にも湿度調整や活性炭フィルターを備えた新型のエアコンなども搭載する。

進化したMBUXでは、個々のシートからの音声認識にも個別に対応。後席ディスプレイ装着車では、表示画面を他のディスプレイと簡単に共有できる。

自動運転技術はレベル3相当を実装する。レベル3はセカンドタスクが可能となるので、携帯電話による通話やインターネットの閲覧などができるが必要な時はすぐに運転に復帰できることが求められる。万が一、ドライバーが急病等で復帰できない場合は自動的にクルマを安全に停車させ、通報するとともにドアロックを解除する。自動駐車はレベル4に対応できるようになった。必要なオプション装備とそれに対応するコネクトサービスを組み合わせることで、AVP(Automated Valet Parking)インフラを備えた駐車場に、その国の法律で許可されている場合に限り運転手なしで入出庫が可能だという。

AR技術を使ったヘッドアップディスプレイを用意。クルマの動きに合わせて矢印が動いて、ナビゲーションの指示を分かりやすくドライバーへ伝える。

世界初の後席エアバッグをはじめ、安全装備も充実している。側面衝突の危険を検知すると、E-アクティブボディコントロールを使って車高を瞬時に80mm上げて、サイドシルで衝撃を受けるようにする。約250個のLEDによるアンビエントライトは、室内の間接照明のみならず、例えばブラインドスポットミニターと連動して、右後方から他車が近づくと、サイドミラー内のワーニングラインと共にアンビエントライトの右側のみも点滅して注意を促す。こうした安全装備や運転支援システムなどは、オンラインでソフトウエアが随時アップデートされるので、常に最新の状態が維持できるようになった。

シートというよりはソファのような前後の座席は、マッサージ機能などを装備するなど、車内でいかに快適に過ごせるかを盛り込んだ設計がされている。

新型Sクラスは新たなスタンダードの提案だけでなく、自動車の近未来を見据えた通過点に過ぎないのではないかと思った。

 

通常のドアハンドルの他に収納式も用意される。前者と後者での全幅の差は33mm。全幅をできるだけ小さくするだけでなく、もちろん空力的にも有効となる。

ついにリアステア機構を搭載。後輪の操舵角はパーキングスピードで最大10度。Aクラス相当の最小回転半径を実現した。

E-ACTIVE BODY CONTROL装着車には側面衝突の危険を検知した場合は瞬時に車高を80mm上げ、サイドシル部分で衝撃を受ける安全機構が備わる。

自動駐車はレベル4相当となった。レベル4に対応可能な駐車場では、クルマから降りて所定の場所への駐車をスマートフォンの操作でできるという。

レベル3相当の自動運転にも対応。法律や条件などが整った場所ではセカンドタスクの実行が可能となる。ドライバーが急病などで運転を引き継げない場合は自動的に車両に安全に停止させて通報する。

世界初となる後席用エアバッグを用意。前席後部から展開し、後席乗員の頭部を保護する。

エクステアリアデザインにドラスティックな変化は見られないものの空力対策が徹底に行なわれ、 Cd値0.22というセダンではトップレベルの数値を実現。

ルボラン2020年11月号より転載

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