ボディ剛性の向上により走りの質感も大幅アップ!「スバルレヴォーグプロトタイプ」に試乗

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キープコンセプトのスタイルながら、明らかに存在感の増した新型レヴォーグ。全長4755mm、全幅1795mmのサイズは現行モデルより65mm長くなり、幅も15mm拡げられた。スバル・グローバルプラットフォーム(SGP)の採用はインプレッサより4年遅れとはなったが、その間に各部がブラッシュアップされて一段と進化。2670mmのホイールベースはインプレッサと同じだが現行モデルよりは20mm長く、安定感のあるスタイルを実現するとともに室内スペースの拡大にも貢献している。

今回はプロトタイプの動的性能チェックがメインということでミニサーキットでの試乗となり、18インチタイヤ(225/45R18)を履くGT-HおよびSTI Sportが用意されており、さらに現行モデルのSTI Sportも同じコースで比較することができた。なお、17インチを履くベーシックグレード、GTは今回試乗することはできなかった。
新設計のCB18型1.8L直噴ターボエンジンは、現行型に搭載されるFB16型(1.6L直噴ターボ)、FA20型(2L直噴ターボ)とは型式だけでなく基本設計も大幅に変更。ボア・ストロークの変更、直噴インジェクターの位置変更やターボチャージャーの小径化などに加え、エンジン本体の軽量化も図られている。最高出力177ps、最大トルク300Nmのスペックはプレミアムガソリン仕様の現行2Lターボには届かないが、300Nmのトルクは頼もしい。サーキット試乗でも全開加速感は現行2Lに譲るものの、アクセルの踏み込みに対するリニアな加速が心地よく、CVT(リニアトロニック)のワイドレンジ化により登りのタイトコーナーなどで車速が落ちた後の加速でももどかしさを感じることはない。
STI Sportには従来のSIドライブに加えてパワーステアリング、ダンパー、AWDシステムなどを5段階に切り替えられる「ドライブモードセレクト」が装備され、エンジンのレスポンス特性だけでなくクルマの動きを好みの状態にセットすることができる。すべてがスポーティ方向にセットされるSport+を選べば緩急自在の走りを楽しみながら、クルマをコントロールする歓びを味わえる。また、たとえばエンジンレスポンスはノーマルのまま、サスペンションとステアリングはリニアにしたい、といった調整も可能で、これはけっこう楽しめそうだ。

一方でJC08モードで16.5km/L、WLTCモード平均値で13.6km/Lという燃費値は現行1.6L車に対してあまりアドバンテージはなく、実燃費を含めてこのあたりがどう評価されるかがポイントのひとつとなる。プロトタイプゆえにこの燃費値は国土交通省審査値ではなく社内測定値にとどまるが、高速道路を含めて路上でどこまで燃費向上が図られているか興味深いところだ。

走りのよさは新採用のSGPに加え、フルインナーフレーム構造などによりボディ全体の剛性アップが貢献しており、ボディ自体のねじり剛性は現行モデルと比べて44%も向上しているという。サスペンションなどに関しては着実に年次改良を重ねた現行モデルも不満のないレベルに達していたが、やはりプラットフォーム刷新の効果は大きい。比較的車速が高く、長くGのかかるコーナーにおいてその違いは顕著で、現行モデルではやや不安になってアクセルを緩めたくなる速度域でも、新型はロールを許容しながら接地感がしっかりドライバーに伝わり、安心してアクセルを踏み続けられる。この安定感は一般道においても運転の余裕度を高め、ひいては安全運転につながるはずだ。

今回はサーキットという平滑路面のみでの試乗だったため、荒れた路面での乗り心地はチェックできなかったが、加減速に対するクルマ自体の動きは穏やかになっており、縁石に軽く乗り上げても不快な突き上げに見舞われるようなことはなかった。静粛性に関してもCVTの発する動作音は現行モデルより低く抑えられえおり、通常走行で気になることはないだろう。

前方左右の人やクルマを感知するミリ波レーダーを備えた新アイサイトの能力と、電動ブレーキブースターの効果に関しては助手席での体験となったが、右折した先にいる歩行者に気づかず緊急ブレーキがかかるシーンを再現。短時間で倍力が立ち上がる電動ブレーキブースターが空走距離を切り詰めて自動ブレーキを作動させることで直前での停止が可能となり、気の弛みからくる事故の防止に貢献してくれそうだ。

https://youtu.be/T3LPCYrqhSI

走りに関してもキモとなる部分をしっかり改良してきた新型レヴォーグ。市販モデルの登場を楽しみに待つとしよう。

specification スバル・レヴォーグSTIスポーツ
■車両本体価格(税込)= –
■全長/全幅/全高=4755×1795×1205mm
■ホイールベース=2670mm
■トレッド(前/後)=1550/1545mm
■車両重量=1580kg 
■最小回転半径=5.5m
■乗車定員=5名
■エンジン型式/種類=CB18/水平対向4DOHC24V+ターボ
■内径×行程=80.6×88.0mm 
■総排気量=1795cc
■圧縮比=10.4
■最高出力=177ps(130kW)/5200-5600rpm 
■最大トルク=300Nm(30.6kg-m)/1600-3600rpm 
■燃料タンク容量=63L(レギュラー)
■燃費(JC08/WLTC)= 16.5km/l 13.6km/L 
■トランスミッション形式=CVT
■サスペンション形式=前 ストラット/コイル 後 Wウイッシュボーン/コイル
■ブレーキ=前/後 Vディスク/Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前 225/45R18(-J) 後 225/45R18(-J)
問い合わせ先=富士重工業℡0120-052-215 https://www.subaru.jp/

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田畑修
AUTHOR
2020/09/15 07:30

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