メルセデスGクラス
パールホワイトのアルファード
シルバー系のクラウン(旧型)
蛍光カラーのランボルギーニ
ハイエースなど商用1BOX
2020年6月の法改正によって「あおり運転」を「妨害運転罪」として厳罰化したことは知られているだろうが、いまだにあおり運転をする輩が絶えないという。あおり運転については、被害者側にも原因があるという意見もあるが、はっきり言ってそうした考え方は間違い。犯罪行為において被害者の原因を追求するのは、まともなオトナであればやってはいけないことだ。それすらわからない人がいることは、この時代にもあおり運転をする人が存在していることと表裏一体なのかもしれないが……。
さて、あおり運転についてのアンケートなどを見ていると、ひとつの傾向が見て取れる。女性ドライバーのほうが被害に遭っているケースが多く、軽自動車やコンパクトカーがあおられやすいという。あおられる方に非があると主張しながら、結局は弱者を狙ったストレス発散的な行為であるならば、弱者に見えないクルマを選べば、あおり運転されにくいだろう。
では、どのようなクルマを選べば、あおり運転に逢いづらいのだろうか。
そうした視点で考えると、まず浮かんでくるのはメルセデスの伝統的クロスカントリービークル「Gクラス」。ゆったりと走っていても、その全身から放つそこはかとなく独自の存在感は、弱者相手にストレス発散をしようとするドライバーの心をへし折るには十分な迫力を持っている。もちろん、Gクラスに限らず、同等サイズの輸入系SUVを相手にして、あおろうという気分になるドライバーも少ないはずだ。
そうはいっても弱者が運転していそうと思うと、煽られてしまうかもしれない。そこでおすすめしたいのはトヨタ・アルファードだ。このLLサイズ・ミニバンは様々な業界においてVIP御用達となっており、そうしたイメージから安易にあおろうという気にはならない存在となっている。ただし、こちらについては、同じLLサイズのミニバンだからといって日産エルグランドやトヨタ・ヴェルファイアに同様の効果があるとは限らない。アルファードにおいてもボディカラーによって、そのイメージが異なり、あおり運転対策とするならホワイトパールクリスタルシャインか、スパークリングブラッククリスタルシャインのいずれかを選ぶことをおすすめする。
つづいて、主に高速道路での“あおられ対策”となるのがトヨタ・クラウンだ。これについては多くを語る必要もないだろうが、ボディカラーとしてはシルバー系かホワイト系を選んでおくと“それっぽく”、他車が近づきがたい雰囲気となる。さらに白いニット帽と青いジャンパーなどを着ていれば効果バツグンだろう。遠目に見た時の影響を考えると、どの世代のクラウンでも効果はあるだろうが、とくにおすすめしたいのは、現行モデルより2代前のクラウン、それもロイヤル系と呼ばれるグレード。このクラウンであれば、あおり対策になる“それっぽい雰囲気”が強まるはずだ。
あおり運転をしてしまうドライバーのマインドは、相手を屈服させたという感情といえる。ならば、こちらの存在そのもので相手を気圧してしまうようなクルマを選ぶのもひとつの方法だ。ようは「手を出そう」という気にさせないようなクルマを選べばいい。その代表格といえるのは蛍光カラーやラメのラッピングをほどこしたスーパーカー。マフラーも交換したようなランボルギーニを、「あおってやろう」などと思うドライバーもいないだろう。それに、もしあおり運転? と感じるくらいに近づかれたとしても、「かっこいいスーパーカーを近くで見たいんだな」と思っていれば、余裕でいられるのではないだろうか。このあたり、ド派手な国産チューンドカー。たとえば、ドリフト仕様であったり、ネオン管をほどこしたドレスアップカーであったりといったクルマにも似た効果があると感じられる。
最後に紹介するのはハイエースやキャラバンNV350といった商用1BOXたち。こうしたクルマがあおられているというシーンは、ほとんど目にしたことがない。もっとも現場へ行き来している商用1BOXが、あおられるような速度で走っているケースが少ないのかもしれないが、大のオトナが何人も乗っていそうな雰囲気というのは、少なくとも一人で乗っているときには、あおろうという気にさせないことだろう。
世の中には高級車に乗っているときは、あおり運転をしてもいいと考えている人もいるという。いずれにしても、あおり運転をする人は何かのきっかけで理性を失い、まさしく暴走してしまうわけだが、それでも弱者に対して行なう行為というのは基本的に変わらない。
ここでは強者に見えるようなクルマを選べばあおり運転されにくいであろうということで5つのモデルを紹介したが、これが冗談交じりの笑い話になる日になることを期待したい。
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