【国内試乗】「トヨタ・ハリアー」よりスタイリッシュなデザインに刷新!

TOYOTA HARRIER
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7年ぶりのフルモデルチェンジを受けた新型ハリアーは、昨年復活を遂げたRAV4と基本骨格を共有する。新型が目指したのは、エレガントな佇まいと上質な走り。ライバルのマツダCX-5やホンダCR-Vと比べて、その実力はいかに?

いまはスタイルやインテリアが重要な要素

東京に限らず、街中でもSUVを多く見かけるようになった。乗用車に代わって日常の足として使われているSUVも増えているようで、女性が颯爽と運転している光景も珍しくない。いまやSUVも走破性や積載性能ばかりでなく、スタイルやインテリアも重要な要素となっているが、元祖都市型SUVのハリアーもそのトレンドを見据えた仕上がりとなっている。

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ハイブリッドの心臓部は2.5L4気筒エンジンと電動モーターを組み合わせ、システム最高出力は2WDが218ps、リアモーターも加わる4WD(E-Four)は222psを誇る。

スタイリッシュなクーペフォルムはあくまでもエレガントで、SUVのトレードマークともいえる大径タイヤも無骨さを感じさせない。存在感をことさら強調しないところもトヨタ車に乗ってきた層に好まれそうだ。インテリアは馬の鞍をイメージしたというセンターコンソールを始め統一感のある仕上がりで、メタル調の加飾や控えめなステッチの配置もよく、リッチな雰囲気に浸れる。個人的には12.3インチのセンターディスプレイは大き過ぎるように感じたが、視界を妨げるようなことはない。一方でメーターは2眼式を採用するなど、デジタル色を抑えているところは嬉しい(もちろん表示はオプティトロンだが)。

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Zグレードは19インチタイヤを標準装備。

全長4740mm、全幅1855mmのボディはマツダCX- 5よりやや大きく、ホンダCR-Vよりわずかに長い。2690mmのホイールベースはCX-5より10mm短く、CR-Vより30mm長いが、取り回し感はほぼ同等で、視界もいいのでよほど狭い道でなければ大きさを持て余すことはない。最もベーシックなSグレード以外は運転席電動パワーシートとステアリングの電動チルト&テレスコピックが標準装備となるので、的確なドライビングポジションに調整できる。このあたりの装備の充実度は上級セダンから乗り換えた人でも不満はないだろう。Zグレード限定かつ19万8000円のオプションながら、スイッチひとつで透明と不透明を切り換えられる調光パノラマルーフも魅力ある装備だ。

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上半分だけ切り取ればスポーツクーペを思わせるスタイルが特徴。張り出したリアコンビネーションランプがリアビューを印象づける。

NAの2Lガソリンエンジンはスペックだけ見ると1.6トン近い車重にはやや役不足に思えたが、実際に走らせると加速もスムーズで、過不足ない走りを見せる。フル加速を試みるとエンジンの苦しげな音が耳に届くが、アクセル操作で調整すればその負担感もすぐに消える。スポーツモードを選んでMレンジに入れ、10速に刻まれた疑似シフトを駆使してやれば、想像以上にダイレクトな走りを楽しむこともできる。

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上質感を高めたインテリアは上級セダンから乗り換えても不満のないレベルに仕上げられている。

2.5Lエンジンと電動モーターを組み合わせたハイブリッドはトルク感はガソリン車を上回り、緩急自在かつ余裕を持って走ることができるが、ダイレクト感ではガソリン車も負けてはいない。静粛性や燃費はハイブリッドの優位性が光るが、59-61万円の価格差を考えると、ガソリン車を選択肢に入れる価値はある。全グレードに標準装備される全車速追従機能付きレーダークルーズコントロール、レーントレーシングアシストもガソリン車、ハイブリッド車ともにサポートに違和感はなく長距離移動を楽にしてくれる。299万円からというコストパフォーマンスの高さも大きな魅力だろう。

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ラゲッジルームは9.5インチのゴルフバッグが3個積める容量を確保。

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調光パノラマルーフはスイッチに加えて音声での操作も可能。

フォト=小林俊樹/T.Kobayashi ルボラン2020年9月号より転載

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