カセットこんろでお馴染みの岩谷産業から、本格的なBBQを手軽に美味しく楽しめるグリルが発売された。カセットガスを装着してツマミを回すだけの簡単調理。自然を感じながら、家族や仲間とコミュニケーションを深めてみては?
※この記事はル・ボラン2014年10月号からの転載です。掲載商品は現在販売していないものもあります。
イワタニ・グリルステーション
どうもバーベキューというのが苦手だ。語尾のキューというのは、熟年世代には「オバケのQ太郎」を思わせ親しみが湧くのだけど、きっと苦手意識はそんな子供時代に養われたのだと思う。
当時は夏になるとキャンプに駆り出された。それはそれで楽しいのだけど、問題はそこでの食事。飯盒炊飯に鉄板焼きであり、煙で燻され、薫製状態で食べる焦げた肉や野菜は飢えた子供心にもうまいとは思えず、締めの焼きそばやカレーに至っては、いま食べておかなければ生き残れない野戦食のようだった。そんなトラウマに加え、大人になってからもバーベキューは火起こしの手間や後片づけの大変さもあり、誘われても気乗りのしないイベントだったのだ。
ところが最近バーベキューは、それこそBBQに名を変えて盛り上がっている。リゾートにも手ぶらでBBQが楽しめる施設やサービスができたり、洒落た専用ツールも登場している。昨年のレジャー白書でも30~40歳男性のやりたいレジャーの2位と3位に位置するとか。そんな背景から生まれたのがグリルステーションである。
見た目はまるでトロリー。ところが開けばどこでもグリルになる。燃料はカセットボンベなので手間はいらず、満足に炭を起こすこともできない「情けない男」というレッテルを貼られることもない。すみません。
要はカセットこんろと同じだが、屋外では空冷エンジンさながらの環境にさらされ、さらに液体燃料の気化でボンベ自体が冷却化するため、気化が遅くなり火力を一定に維持するのが難しい。これを解決するため、保温効果に優れた躯体と火元を風から守るためにバーナーを低く設計している。そんなことから完成まで3年かかったそうだ。
キッチンと変わらない強い火力と厚手のホーローロストルで焼き上げる肉は、見るからにうまそうだ。バーナーは2口あるので鍋料理も並行してできる。また使った後も受けの部分が本体から簡単に取り外せるので、洗うのにも手がかからない。
重量は約21㎏と機内持ち込みのスーツケースにも相当するが、大型キャスターは走破性も高く、駐車場からの移動もそれほど苦にはならないだろう。最近は肉食女子も増え、これなら女子受けもいいし、高齢者ほど肉は食べた方がいいそうだ。まずはこの秋、これでBBQにチャレンジしてみるか。
Iwatani GRILLE STATION
バーベキューの準備の手間を軽減し、手軽に楽しめる本物志向のバーベキューグリル。カセットガスを装着しツマミを回すだけで素早く着火、料理に合わせて火加減の調整が自由にできるのが特徴。家庭用ガスコンロと同等の最大5.8kW(2.9kW×2口)の火力で、ダイナミックなグリル料理のほか、付属のプレートを使えば焼きそばなどの鉄板料理や鍋料理もOK。カセットこんろと同じ手軽さでバーベキューが楽しめる。またバーナーには風の影響を抑える独自構造を取り入れているほか、立ち消え安全装置、圧力感知安全装置、過熱防止安全装置などを装備、強い火力を出しながら安全性の高さも魅力だ。組み立てや折り畳みも簡単、キャスター付きで持ち運びも便利。またカセットガスが燃料なので、非常時でも備蓄したカセットガスを使えば調理が可能。本体色はシルバー、オレンジ、グリーン、ゴールドの4色。価格は70,000円(税別)。
●問い合わせ先:イワタニアイコレクト https://www.iwatani-i-collect.com/