イタリア・ミラノ郊外で1969年に誕生したアスペジは、創業当初からシンプルで良質なシャツを作るブランドとして注目を集めている。今回は、現在も根強い人気を誇る製品のひとつとなっている、ミリタリーの機能美がモダンに昇華したアウターをご紹介しよう。
※この記事はル・ボラン2020年5月号からの転載です。掲載商品は現在販売していないものもあります。
アスペジのフィールドジャケット
春爛漫を心から楽しめない、沈滞した空気が世界中を覆い尽くしている。そんな時だからこそ屋内に閉じこもらず、ぜひドライブにいきたい。車中なら人混みを避け、自由に移動できる。そこでドライブ気分をかき立ててくれるジャケットを選んだ。
イタリアンブランド、アスペジの「ミニフィールド ベント」は、ミリタリーファッションでも人気の高いM-65に、高品質のナイロン素材を用い、より洗練されたフィッティングや実用的な仕様で仕上げた。
まるで羽織るような柔らかく軽やかな着心地とともに、軽撥水や防風性にも優れる。マチをとった左右の胸ポケットや、たっぷりとした収納の大型サイドポケット始め、背の肩部分にはアクションプリーツを設け、ドライビング時の肩の動きも妨げない。こうしたミリタリー譲りの機能性に加え、通常は金属製のファスナーやスナップも樹脂製にし、袖口もボタンからベルクロにすることで軽量化を図っている。またコンパクトなパッカブル仕様なので、車載しておくにもいい。
ベースになったフィールドジャケットは、イタリアの男たちにとっては誰もが手にするような定番アイテムであり、アスペジでは1986 年の発表以来ブランドのアイコンになっている。これをベースにした「ミニフィールド ベント」は2011年に誕生し、基本を崩すことなく、これまで改良を重ねてきた。
スポーティなデザインのなかにも、スタンドカラーを高く設けるなど、イタリアブランドらしいスタイリッシュさを感じさせる。カットソーのインナーにホワイトジーンズを合わせ、薄手のストールを巻けば、ドライブ先の高級レストランやカフェでも春らしいお洒落が楽しめるだろう。
ナイロンは、1935 年に新素材として開発され、一説によるとそれまでにない強い繊維ということから「ノーラン(No run、破れほつれない)」と名づけようとしたそうだ。ところが実際にはほつれてしまうこともあり、当初のアイディアを生かしつつ、ナイロンに落ち着いたとか。だがその機能性は“ノーラン”どころかむしろ走り続けるにふさわしく、こんなジャケットを着れば、さらに遠くへとドライブしたくなるに違いない。
ASPESI
1986年の初リリース以来、M-65のディティールを忠実に再現して人気モデルとなったフィールドジャケットはアスペジのアイコンとして長く愛されてきた。今回のMINIFIELD VENTOはM-65の基本的なディテイルは残しながらも、フィッティングを向上し、現代的なマテリアルと使用するパーツ選びによって都市生活に快適なフィールドジャケットとして提案。キメの細かい上質なナイロンによる軽撥水樹脂製のファスナーやスナップ、袖口を留めるベルクロなどにより軽量化を実現。持ち運びにも便利なパッカブル仕様だ(ケース付き)。また、ASPESIは今春より日本初の路面店(南青山)に加え、新宿伊勢丹メンズ館、銀座三越など店舗・コーナーをオープンしている。
●問い合わせ先:ASPESI TOKYO TEL:03-6433-5151