厳しさを物語る自動車メーカー各社の第1四半期決算

田畑修
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欧州メーカーの多くが利益減に。BMWのみが売上増をキープ

自動車メーカーの生産停止に加え、大規模なロックダウンにより新車販売も大きな影響を受けた欧州だが、4月末に出揃った各社の2020年第1四半期(1〜3月)の業績がそのインパクトの大きさを示している。最大手のフォルクスワーゲン・グループ(VW)は世界販売台数が23.0%減、売上高が8.3%減、営業利益は76.6%減と大きく落ち込み、第2四半期(4〜6月)は赤字になると予想している。

ダイムラー・グループは売上高が6.2%減、EBIT(利払い・税引き前利益)が77.9%減、純利益が92.2%減と大幅な利益減となったが、一方でBMWグループは対照的に売上高は3.5%増のプラス、EBITは4.7%増と踏ん張りを見せ、純利益もこの状況下において1.2%減に抑えている。

フランスに目を移すとグループPSAの売上高は15.6%減、ルノー・グループの売上高は19.2%減、そしてパンデミックの影響が最も大きかったと覆われるイタリアに本拠を置くFCAグループは売上高が16.0%減、EBITが95%減、純利益は約17億ユーロの赤字と厳しい結果になっている。
欧州で新型コロナウイルスが猛威を振るったのは3月以降なので、販売台数や売上高はまだ減少幅が抑えられているが、利益の減少は予想以上で、中国や米国での販売減も大きく響いている。ただ、強力なロックダウンの効果もあって欧州各国ではウイルス終息の兆しも見えてきており、4月を含む第2四半期の数字はまだ厳しいものがあるだろうが、第3四半期以降の回復は望めそうだ。
リーマンショックを上回り、1920年代の世界大恐慌以来の景気悪化という予測が的中してしまったことになるが、VWとPSAを除くと2019年の通年業績も芳しくなかっただけに、2020年の通年業績も低空飛行が続くと思われる。頼みだった中国市場の停滞はドイツのプレミアムブランドの伸びを阻害するであろうし、まだ終息が見えない米国市場の落ち込みが加わってくる。だが、一方でコロナ終息後は各国で自家用車の必要性が高まって新車の売れ行きが伸び、モビリティサービスを含む市場の方向性が変わる可能性もある。予想がつかない激しい変化がしばらく続きそうだが、目先の状況だけにとらわれない手堅い舵取りで乗り越えていくことを期待したい。

ルボラン2020年7月号より転載

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