Cクラスにも迫る上質な乗り味が魅力「メルセデス・ベンツA250セダン」【JAIA輸入車試乗会】

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2020/05/22 09:00

上級メルセデスの乗り心地を実現

メルセデス・ベンツのラインナップの中にあって、一番コンパクトでありながら挑戦的なモデルがAクラスだ。初代は同社初のFFハッチバックとして登場しただけではなく、電動化を見据えてボディの床下にバッテリー搭載用スペースを設けたサンドイッチ構造を採用した意欲作で、2代目もそのコンセプトを引き継いだ。

続く3代目からは方向転換し、一般的なハッチバックボディとしつつもサイズを拡大して、激戦区であるCセグメント市場に殴り込みをかけた。そしてその3代目の基本を磨き上げ、対話型インフォテインメントシステムの新しい提案を行い、よりデジタライズされたのが現行型Aクラスである。ボディバリエーションはハッチバックに加えてセダンも用意したのだから、これを挑戦といわずしてなんといおう。

メルセデス自身には同じFFプラットフォームで仕立てられた4ドア・クーペのCLAがあり、さらには正統派の3ボックスでコンパクトセダンの雄であるCクラスがラインナップされているにもかかわらず、だ。AクラスとCLAは兄弟車だからともかく、Cクラスと比較してみると価格的にも100万円以上の開きがあるから同列に見る人は少ないかもしれない。ただ、Aクラス・セダンに試乗してみるとやはりCクラスの存在が頭をよぎる。

この2車の違いで大きく目につくのは、室内のインストルメントパネル周りのレイアウトだ。Cクラスのような一般的なフードの付いたメータークラスターとは違い、Aクラス・セダンではダッシュボード上にワイドディスプレイを2枚並べて立てかけた、パノラマタイプのデジタルコクピットとなっている。ドライバーの眼前にある液晶パネルにはメーター類が映し出され、ダッシュボード中央部の液晶モニターにはナビゲーションを始めとするエンタテインメント系の情報が表示されるようになっている。

試しにMBUXを立ち上げて「ハイ、メルセデス」と話かけてみると「どうぞお話ください」と返事ののちに、エアコンの調整やナビの操作などの要求に即座に応じてくれたりと、使い勝手は悪くない。というよりもむしろ手を伸ばしてスイッチ操作をするよりも安全だから、積極的に使っていきたいと思った。

さて、Aクラスの走りっぷりはというと、メルセデスにおけるエントリーモデルという位置づけから、特にハッチバックはキビキビと軽快に動く印象が支配的だが、Aクラス・セダンのそれはCクラスに迫らんとする上質さが備わっていたことを報告しておこう。


その要因と考えられるのは、トランク前にバルクヘッドを持つ(実際はトランクスルーになってはいるが)セダンであることと、ハッチバックではトーションビームだったリアサスペンションがマルチリンクに改められている点が大きい。ボディがしっかりしたことでサスペンションの取り付け剛性も高まり、足まわりがしっかりと動いて所期の性能を存分に発揮してくれているのだろう。当たりはソフトでありながらスタビリティの高さが感じられる、上級メルセデスの乗り心地を実現しているのだ。試乗車は4WDの4MATICだったから多少の重量増も乗り心地の重厚さに貢献していたかもしれない。

重箱の隅をつつくように細かく観察してみると、確かにロール/ピッチングのスピードやそのマナー、あるいは遮音性といった面での洗練度はCクラスのほうが上と感じることはある。ただし決定的な不満というわけではない。Cクラスの性能に肉薄しつつ、MBUXのような先進技術を備えながらスターティングプライスが抑えられている点も踏まえると、Aクラス・セダンはかなりあなどれない存在だ。

【Specification】メルセデス・ベンツA250 4マチック セダン
■全長×全幅×全高=4550×1800×1430mm
■ホイールベース=2730㎜
■トレッド=前1570、後1575mm
■車両重量=1530kg
■乗車定員=5名
■エンジン型式/種類=260/直4DOHC16V+ターボ
■内径×行程=83.0×92.0mm
■総排気量=1991㏄
■圧縮比=10.5
■最高出力=224ps(165kW)/5500rpm
■最大トルク=350Nm(35.7㎏-m)/1800-4000rpm
■燃料タンク容量=51L(プレミアム)
■燃費(JC08)=12.9km/L
■トランスミッション形式=7速DCT
■サスペンション形式=前ストラット/コイル、後マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前Vディスク、後ディスク
■タイヤサイズ=前後205/55R17
■車両本体価格(税込)=4,760,000円

【問い合わせ】
メルセデス・ベンツ日本 https://www.mercedes-benz.co.jp/

フォト:柏田芳敬(Y.Kashiwada)

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