BMW 850iの瞬発力、ストッピングパワーはかなり優秀だが、レクサス LC500hも大善戦【清水和夫のDST】#102-2/4

M850iの瞬発力、ストッピングパワーはかなり優秀だったが、LC500hも大善戦

LEXUS LC500h L PACKAGE

加速:0.52G(★★★★☆)減速:1.03G(★★★★☆)

LEXUS LC500h L PACKAGE

絶対的なトルクではM850iに敵わないが、V6エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムはオンリーワンのパワートレインだ。M850iが肉食系とすれば、LC5000hは草食系と表現できるが、V8自然吸気のLC500よりも加速は速い。ギアボックスは電気的な10速CVT(マルチステージトランスミッション)で、走り出しからスムーズ。60km/hを超えるとM850iのV8ターボに軍配は上がるものの、静粛性や高級感では互角以上だ。課題は多くのライバルがAWD化しているので、モーター4駆がつくれるかどうか。ブレーキはABS作動時のペダル振動はなく、不満は感じなかった。100→0km/hの制動距離は36.51m(2回平均)を記録。

BMW 850i xDrive COUPE

加速:0.61G(★★★★☆)減速:1.02G(★★★★☆)

ビー・エム・ダブリュー850i xDriveクーペ/BMW 850i xDrive COUPE

4.4LのV8はVバンク内にターボを搭載する画期的なエンジンだが、その機構にも増して8速ATとのマッチングがよく、加速は驚くほどしなやかで力強い。過去にLC500とテストしたM6グランクーペよりも速く、4輪駆動なので750Nmのトルクを与えてもタイヤは悲鳴を上げず、0.61Gはポルシェに匹敵する数値だ。スポーツ+モードにセットすると、エンジン音が野獣の遠吠えのように聞こえるからドライバーを大いに刺激し、ブレーキも秀逸。2トン近いボディをしっかりと止める。踏力感は頼もしく、ドライバーの操作にリニアに反応する。ABSも緻密で信頼がおけるものだった。100→0km/hの停止距離は36.65m(2回平均)。

フォト:篠原晃一 ル・ボラン 2019年9月号より転載

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