ブリヂストンがタイヤの荷重や摩耗のセンシング技術を開発

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タイヤ内面に貼りつけたセンサーがひずみを計測。タイヤの状況を推定

タイヤメーカー各社は自動運転の普及などに備え、タイヤ内部にセンサーを備え、空気圧や摩耗状態を検知・測定するシステムの開発を進めている。タイヤ内部(トレッド裏)に電池を内蔵した小型センサーを貼り付け、そこからさまざまな情報を得る方式が主流となる可能性が高く、昨年の東京モーターショーにも横浜ゴムなどが出展していた。
ブリヂストンが昨年12月に発表した「スマート・ストレイン・センサー」もそうした形状ながら、このセンサーは空気圧や温度といったデータに加えて、走行中のタイヤのひずみを測定する機能を備えている。タイヤの接地面には必ずひずみが発生するが、AI(人口知能)などでそれを解析することでタイヤにかかっている荷重や摩耗状態も把握できるという。この解析されたデータによりタイヤの状態を運転者はもちろん、たとえば離れた場所にいる車両管理者などに知らせることもでき、安全性や経済性を高めることもできる。

タイヤ内部センサーは取り外しや交換が難しいため、内部電池の寿命をいかに伸ばすかも開発ポイントのひとつとなるが、独自のアルゴリズムにより電力寿命も大幅に改善したとしている。
まだ実用化の時期は示されていないが、センサー技術の進化によりタイヤ自体がさまざまな情報を発信するスマートタイヤの実現にまた一歩近づいたと見てもいいだろう。今後、より激化するであろう各タイヤメーカーのセンシング開発競争に、このブリヂストンの新技術がどう影響してくるのか、注目したい。

ルボラン2020年3月号より転載

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