【国内試乗】「メルセデス・ベンツ CLA クーペ」サイズ、プライス、スタイリングのすべてが好バランス

スポーティネスだけでなくエレガンスをしっかりと兼ね備える

実際、2L直4直噴ターボのフィーリングはデイリーカーとして充分な気持ち良さを備えているといってもいい。6000rpmオーバーの高回転域までパワーのタレも感じさせずストレスなく回るうえ、実用域でのトルクもしっかり備わっており、四駆と組み合わせられる7速DCTでも高いギアで粘り強い加速をみせてくれる。ちなみに0→100m/h加速は6.3秒と瞬発力も充分。最高速は0.23という優れたCd値も活かして250km/hのリミットレベルに到達している。

インテリアの多くはAクラスと共通だが、CLAクラスからタッチスクリーンやタッチパッドに手を近づけることで画面メニューを操作できる「MBUXインテリアアシスト」が新たに導入された。トランク容量は460Lを確保。

コーナリングで際立つのはアジリティのみならず。むしろグリップレベルの高さやバランスの良さに感心させられた。Aクラスよりも長いホイールベースとワイドトレッド化によってクルマのキャラクターは落ち着いたものとなっており、激しい切り返しでも挙動はピタッと安定している。思い切ってアクセルを踏み込んでもアンダー&オーバーステア的な挙動はなく、四駆の利をきっちり活かしてオンザレールで曲がっていく印象だ。ホイールベースの延長に加えてリアマルチリンクサスの標準化により、乗り心地の面でも他モデルとは一線を画するしなやかさが備わる辺りも、クルマのキャラクターと巧く重なるところだ。スポーティネスだけでなくエレガンスをしっかりと兼ね備えたところが、CLAクラスならではの個性ということになるだろう。

フォト=河野敦樹/A.Kawano ルボラン2020年2月号より転載

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