【国内試乗】「メルセデス・ベンツ Aクラス・セダン」こんなセダンを待っていた!

長距離でも疲れにくい良好な乗り心地

ハッチバックのAクラスとボディサイズを比較すると、ホイールベースと全幅は同じで、セダンのほうが130㎜長く10㎜背が高い。全長の延長分は主にリアのオーバーハング部に充てられていて(ハッチバック=775㎜、セダン=905㎜)、その結果ラゲッジルームはセダンのほうが50Lも広い。形状もほぼスクエアなので、使い勝手も悪くないだろう。

エクステリアは、ラインやエッジを大幅に削減したデザインを採用。リアエンドにはワイドな印象を与える2分割型リアコンビネーションランプを装着する。

1.4Lの直4ターボを積むA180と2L直4ターボのA250があって、前者はFF、後者は4MATICの四駆となる。試乗車はA250だった。この4MATICはオンデマンドタイプなので通常は前輪のみを駆動し、状況に応じて後輪へ駆動力を配分する。224ps/350Nmは1.5トン台の車体を動かすには十分過ぎるパワーで、7速DCTとのマッチングもよく、低速域でも高速域でも力不足はまったく感じない。

トランク容量は420Lを確保、後席は4:2:4分割可倒式となる。

Aクラスのリアサスペンションは4MATICだとマルチリンクになる(FFはトーションビーム)。A250同士で比較すると、セダンはハッチバックと大きく違わない素直で安定感ある操縦性と接地感を有するものの、ボディの剛性感はセダンのほうがあり、ばね上がしっかりしている印象を受ける。キャビンと荷室の仕切るリヤのバルクヘッドがボディ剛性の向上にひと役買っているのだろう。

乗り心地もセダンのほうがいいように感じる。速度域を問わず、身体まで伝わる振動は同じように少なめで快適だ。プロペラシャフトによる床下からの振動も思ったほど気にならなかった。長距離でも疲れにくい良好な乗り心地と言える。後席には大人ふたりが長時間のドライブでも耐えうるスペースが確保されていて、着座姿勢も無理のないものだった。
取り回しのいいボディサイズと快適な乗り心地を持つAクラスは、A180なら300万円台に収まる。これなら同級生にも自信を持ってすすめられるだろう。

試乗車は2L直4ターボエンジンに 組み合わせたA250 4MATICセダン。このほかに、1.4L直4ターボエンジンのA180/A180 Styleセダンをラインナップする。

フォト=宮門秀行/H.Miyakado ル・ボラン2020年1月号より転載

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