トーヨータイヤのミニバン専用であるスタッドレスタイヤが「ウインタートランパスTX」だ。いまやマストともいえる氷上性能に加え、 SUVにも対応する新構造が特徴なのだ。
カーブでふらつくことなくしっかりと支えてくれる
ミニバン専用タイヤのパイオニアであるトーヨータイヤは、これまでスタッドレスタイヤもミニバン専用として開発し進化してきたが、最近流行のSUVの人気を見据え、SUVまで広く対応できるハイト系専用スタッドレスとして、トランパスTXを開発した。考えてみれば、重心が高いSUVも、タイヤにかかる負担はミニバンとよく似ている。というわけで、SUVまで視野に入れた開発が行われたのだ。トレッドデザインは左右非対称で、アウト側に大型ブロックを配置して高剛性ショルダーブロックとしている。また、リブ(ブロック列)ごとにサイプの形状を変えた凝った造りになっているのも特徴のひとつ。ユニークなのは、センターリブに採用されている新吸着3Dサイプ。意図的にサイプの溝幅を広く取って吸水性能を高めているのだ。
ケース剛性が高く、操舵に対する応答も素直。ケースとブロック剛性のバランスもとれているのだろう。しっかり路面を踏みしめグリップしている感覚があるので、走らせていて安心感がある。
採用するコンパウンドはベース部に経年劣化を抑制するソフトキープコンパウンド、加減速の効くイン側にスーパーソフト、コーナーでの踏ん張りに効くアウト側にソフトコンパウンドのトリプルコンパウンド構造として、重心の高いミニバン、 SUVに対応している。ソフト&スーパーソフトコンパウンドには、もちろん鬼クルミの殻が配合されており、加えて吸水カーボニックセルの吸水性能と、ナノゲルの低温でゴムの柔軟性を保つ性能で氷雪上性能を高めている。
さらに構造もカーカスのビード部での折り返しを高くしたハイターンアップ構造とすることで、サイドの横剛性を高めている。走り出した印象は案外ソフトというかマイルドな乗り心地だなと感じた。もっと補強感(剛性感)が強いのかと想像していたが、適度にしなやかさがあって乗り心地も良い。それでいてコーナーではしっかりした踏ん張り感があって、ケース剛性の高さが感じられた。
トリプルトレッド構造によるコンパウンドの使い分けと、左右非対称トレッドデザインで、トレッド面の機能性を高めるとともに、ハイターンバック構造を採用することでタイヤの横剛性を上げミニバン・SUVに対応した設計になっている。
圧雪路のカーブでは、ふらつくこともなくしっかりとクルマを支えてくれる。そして、きっちりトレッドが路面をとらえている感触もある。ショルダー部の剛性とトレッドブロックのバランスをとることによってドライバーに不安を感じさせない安定感と、しっかり路面をとらえる懐の深さを備えており、このあたりにミニバン専用タイヤを作ってきたノウハウが生きていると感じられた。
軽自動車サイズも用意されているから、ハイト系やスーパーハイト系軽ワゴンにも対応しているのだろう。
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