ランチア・ラリー/思わず額装したくなるようなレベル、037の広報資料【自動車型録美術館】第37回

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LANCIA RALLY/ランチア・ラリー

37回に因み、037ランチア・ラリーをとりあげます。第32回のフィアット126以来、6連続となるイタリア車、さすがに次回はイタリアを離れる予定です。

紙時代万歳

現在ではほとんどのプレスリリースはUSBの配布やプレスサイトの開設など、デジタル媒体が主流となっています。モーターショーで報道関係者用の資料を求めると、専用のUSBならまだよい方で、プレスサイトとそこにアクセスするためのアクセスコードが記された紙片を渡されたりすることもあり、正直、紙もの好きにはさみしい時代になりました。

このコラムは、タイトルの美術館の名に恥じぬよう、紙資料を中心に紹介するようにしています。カタログや広報資料を、クルマ選びや記事を書く為のツールではなく、趣味の対象とした場合、やはり、紙に勝るものはないようです。

037の広報資料

037ランチア・ラリーの販売用カタログは、残念ながらこれまで目にしたことがありません。その代わりなのか、広報資料はご覧の通り充実しています。これぞ紙資料の到達点、とでもいうべき内容で、機構部分等が描かれたシートは、思わず額装したくなるようなレベルです。

ランチアの広報資料

この時期のランチアの広報資料は、どれも凝っていて愛着の湧くようなものばかりです。今後も、デルタS4やテーマ、Y10など、折に触れてとりあげていきたいと考えています。

037は車両だけでなく、その資料も魅力的です

姉妹誌モデル・カーズに連載中の自動車博物記、今月はランチア・ストラトスです。ストラトスのカタログは既に本稿の第27回でとりあげているので、こちらは冒頭にも記したように、第37回に掛けてランチア・ラリーにしました。この資料を入手したのは今から35年以上も前のことです。そのため、すっかり忘れているのですが、元々は大きなランチア・ラリーのポスターも当該セットに含まれていたような気がします。

そのポスターが構造画だったか、透視図になっていない外観だったか、よく覚えていません。大好きなアバルトの血を継承するクルマなので、ポスターはポスターとして別途保管してしまったのでしょう。そうだとすれば、何とも余計な仕分けをしてしまったものです。

ラリーの競技車両はこの時期、ひとつの頂点に達したと感じています。同時に紙資料もデジタルに移行する前で過剰ともいえる充実ぶりでした。ランチアでは、この037ランチア・ラリーとデルタS4が、車両の内容と資料の構成が共に充実している代表格です。デルタS4は、ストラダーレとコルサにそれぞれ独立した資料を用意する念の入れようでした。いずれこちらでも紹介しようと思っております。

●内容:ケース300mm×216mm 絵葉書160mm×198mm(1枚) 写真188mm×240mm(5枚) 冊子【1】296mm×208mm(12p) 冊子【2】298mm×210mm(4p) 構造画298mm×210mm(6枚)

Text:板谷熊太郎 /Kumataro ITAYA カー・マガジン489号(2019年3月号)より転載

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