【嶋田智之の月刊イタフラ】 アルピーヌA110、ラリーに復活!!

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この日が来るのを待ってたぞ!

アルピーヌA110といえばラリー。ラリーといえばA110。かつて、そういう時代がありました。何せ初代A110は、1973年からはじまった世界ラリー選手権の初代マニュファクチャラーチャンピオンをアルピーヌにもたらしたマシン。WRC以前から国際ラリーや欧州各国の国内シリーズ、さらにローカルラリーまで含めたら、いったい何勝したんだ? くらいの猛威を奮っていました。

だからこの5月、2代目A110がラリー仕様を開発してプライベーターに供給するというニュースが流れたとき、僕らファンは表では”当然でしょ”な顔をしつつ、裏では感涙しつつ喜んだのです。

で、そのマシンが正式に発表されました。〝A110ラリー〟と名付けられたこのマシンは、ル・マンを含む世界耐久選手権でアルピーヌのパートナーとしてLMP2マシンで目覚ましい戦績をあげてきたシグナテックとアルピーヌの共同開発といえるもの。おそらく同様に開発されてきたワンメイクレース用A110カップやA110GT4の車体をベースにしていて、空力系や冷却系もラリー用にアジャストしてるものと思われます。エンジンはトルク特性などをやはりラリー用に整えつつ、300ps以上のパワーを確保。パドル式の6速シーケンシャルミッションとLSDを介してアウトプットを路面に伝達します。サスペンションは3ウェイの油圧式、ブレーキは強化型のブレンボ製となり、ターン用のハンドブレーキも追加。いうまでもなく、ロールケージその他の規定に沿った安全装備も持たされています。

A110ラリーはFIAのRGT規定に沿って作られていて、現在はホモロゲ取得のための作業が進められているところ。WRCのトップカテゴリーには出られませんが、それはA110のせいじゃなくてWRCの規定のせい。まずはラリーへの復活を喜ぶことにしましょう。R-GTクラスではアバルト124ラリーのいいライバルになるはずです。ちなみに15万ユーロで販売され、来年初頭から納車が開始されるようです。

ル・ボラン2019年11月号より転載

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