昨年の販売台数倍増に貢献したMPVモデル

三菱自動車は、ベトナムの生産拠点でクロスオーバーMPVである「エクスパンダー」の生産を2020年より開始する。また、9月12日には現地法人であるミツビシ・モーターズ・ベトナム・カンパニー・リミテッド（以下MMV）が事業開始から25周年を迎えたことを記念してホーチミン市で式典が開催されている。

現在、MMVでは「アウトランダー」のノックダウン生産が行なわれているがエクスパンダーの生産開始にあわせて生産能力の増強が検討されている。エクスパンダーは、2017年秋よりインドネシアで生産と販売がスタート。東南アジア各国で堅調に売り上げを伸ばしており、ベトナムでは2018年10月より販売が開始された。以来、このエクスパンダーを中心にベトナムでは2018年度に全車種販売が約1万4000台に到達。2017年度の約2倍という実績を残している。ちなみに、2019年度も今のところ販売は好調に推移しているとか。

三菱自動車は、ベトナムの自動車市場創生期にあたる1994年にMMVの前身である生産・販売会社を三菱商事や現地パートナーと合同で設立。その後の自動車市場拡大とともに、現在ではアセアンにおける三菱の成長戦略を支える重要な事業のひとつとなっている。

三菱自動車の益子修会長は今回の決定について以下のようにコメントしている。

「ベトナムで高品質なクルマを造り、より多くのお客様にお届けするというこの新たな挑戦はベトナム事業の持続的な成長を可能にするとともに、雇用の増加、人材育成、投資、技術移転といった面でベトナム自動車産業および同国地域経済発展に貢献できると信じております」

なお、三菱自動車はベトナムにおける社会貢献活動にも力を入れている。このほどMMVよりベトナム赤十字社を通じホーチミン市の大学生、同市とビンズン省の高校生計70名に奨学金支援を実施。今後も次世代の教育支援をはじめとした社会貢献活動を通じ、ベトナム社会の持続的成長に寄与していくという。