ついにその姿が公開! ポルシェのピュアEV、「タイカン」がワールドプレミア

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まずは「ターボS」と「ターボ」の2モデルを設定

9月4にポルシェは初のピュアEVスポーツ「タイカン」を発表。ワールドプレミアイベントを北米、中国、欧州の世界3大陸で同時に開催した。

ポルシェAGのオリバー・ブルーメ取締役会会長は、ベルリンで開催されたワールドプレミアイベントで次のようにコメントした。
「タイカンは過去70年以上にわたって世界中の人々を熱狂させてきたポルシェブランドの歴史と輝かしい未来を繋ぎます。今日が新しい時代の幕開けです」

ポルシェはこの新しい4ドアEVスポーツサルーンについて、ポルシェ特有のパフォーマンス、接続性、および総合的実用性を提供する独自のパッケージを誇ると同時に、タイカンの極めて先進的な生産方法とその製品特徴は、持続可能性とデジタル化の分野に新たな基準を打ち立てると説明。

ポルシェAGのミヒャエル・シュタイナー研究開発担当役員のコメントはこうだ。
「フルエレクトリックであっても、ポルシェは常にポルシェです。これまでのポルシェプロダクトがそうであったように、タイカンはテクノロジーとドライビングダイナミクスのみならず、世界中の人々の情熱を刺激する魅力的なスポーツカーです」

まず導入されるのは「タイカンターボS」と「タイカンターボ」の2モデル。トップモデルのタイカンターボSは625ps/1050Nmを発揮。オーバーブースト時は最高出力が761psに高まる。このパワーパックを原動力に、車重2295kgのボディを停止から100km/hまで2.8秒で到達させ、260km/hの最高速を実現。最大航続距離は412kmだ。

一方、タイカンターボは625ps/850Nm(オーバーブースト時は680ps)を発揮し、3.2秒の0-100km/h加速、260km/hの最高速をマークする。車重は2305kgで、最大航続距離は450kmと発表された。

モーターは前後アクスルそれぞれに1基搭載され、4WDの駆動方式をとなる。リヤアクスルには2速式のトランスミッションが搭載され、1速では停止状態からのパワフルな加速を、2速では高い効率とともに高いエネルギー残量確保に寄与し、高速走行時にも適用される。

リチウムイオンバッテリーの総電力量は最大93kWh。電圧は一般的なEVの400Vではなく、800Vを採用。これは市販EVとしては初めてで、最高100kmの走行に必要なエネルギーをわずか5分程度の充電で実現する。ちなみに、バッテリーの充電状態が5%の状態から80%まで充電するのに必要な時間は、最大充電容量270kWでの理想的な状態なら22分30秒しかかからないという。

シャシー面では、PASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネジメントシステム)や、電子制御ダンパーコントロールを含む3チャンバーテクノロジーを採用したアダプティブエアサスペンション、そしてPTVプラス(ポルシェ・トルク・ベクトリング・プラス)を含むPDCCスポーツ(ポルシェ・ダイナミック・シャシー・コントロール・スポーツ)電気機械式ロール抑制システムを採用。ドライビングモードは「レンジ」、「ノーマル」、「スポーツ」、「スポーツプラス」に「インディビデュアル」を加えた5モードが設定された。

ボディサイズは全長4963×全幅1966×全高1381mmで、ホイールベースは2900mm。堂々としたサイズのボディには、ポルシェのデザインDNAが息づいている。シルエットは、後方に向かって下向きに傾斜するスポーティなルーフラインによって形作られ、彫りの深いサイドセクションも特徴的。空気抵抗係数(Cd値)0.22を実現したエアロダイナミクスは、優れたパフォーマンスと低いエネルギー消費による長い航続距離に貢献する。

フロントは曲線の強いフェンダーによって極めてワイドかつフラットに見える。流線形のキャビン、テーパーの付いたリヤCピラー、そしてフェンダーの目立つショルダーは、ブランド特有のシャープに強調されたリアビューをもたらしている。新型991(992型)でも採用された全幅いっぱいに伸びるリヤのライトバーにはガラスルックのポルシェロゴが配されるなど、革新的なエレメントも備わっている。

インテリアは、新世代ポルシェラインアップの例に漏れず、デジタライズされたインパネが目を引く。16.8インチのメーターパネルはポルシェの一員であることを感じさせる丸型デザインが特徴。表示モードは、パワーメーターを表示する「クラシックモード」、中央のパワーメーターがナビゲーションマップになる「マップモード」、丸型メーターを省略してナビマップが全画面に表示される「フルマップモード」、速度や道路標識、最小化した矢印によるナビゲーション指示など重要な情報のみ表示する「ピュアモード」の4つから選択できる。

インパネの中央には10.9インチのインフォテイメントディスプレイを配置。オプション設定のパッセンジャーディスプレイを組み合わせると、インパネは一体化されたガラス画面を形成。これに伴い、制御用スイッチやボタンなどが大幅に減らされ、スッキリとしたコックピットとなっている。インフォテイメントには「Hey Porsche」の呼びかけに応えるインテリジェントなボイスコントロール機能も採用された。

スポーツカーならではの低い車高の持ち主だが、後席の乗り心地は高い快適性が与えられている。荷室はボディの前後2カ所に設定されており、容量はフロントで81L、リヤで366Lを確保している。

ターボSとターボの登場からスタートしたタイカンは今後、年内には出力を落とした4WDモデルが追加される予定。さらに2020年の終わりまでには派生モデルとして「タイカンクロスツーリスモ」が登場する見通し。ちなみに同社では、2022年までに60億ユーロ(約7060億円)を電動化関連に投資するとのことだ。

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