【国内試乗】「プジョー・308アリューレ」8速AT搭載で走りをレベルアップ!

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創業は1810年と、現存する自動車メーカーでは世界でもっとも長い歴史を持つプジョー。フランスを代表するブランドとしてコンパクトカーを中心に幅広いモデル展開をする。現行モデルのデビューから5年を迎える308はディーゼル+8速ATを投入して俄然魅力がアップ。そして先日、8速ATを搭載した1.2Lガソリンも日本上陸。ドイツ車好きは多いだろうけど……、フランス車にも注目してほしい!

間違いなくゴルフと真っ向から戦える!

ん? 308ってこんなによかったっけ? ──と、ふと思った。いや、元から好感は持ってたのは確かだ。けど、このクラスの王者フォルクスワーゲン・ゴルフにはいろいろ微妙に負けてる気もしてたのに、そんな感じが全くなくなってたのだ。試乗車のアリュールは新たにラインナップのボトムに収まったモデルであり、マイチェン版でも何でもない。が、少し前に乗った1.5Lディーゼルと較べてすら、クルマが全体的にレベルアップしているように感じられたのである。新たに搭載された130psと230Nmの1.2L+電子制御式ターボと8速ATと車体とのマッチングが、望外によかったからなのかも知れない。

パワーユニットは最高出力130ps、最大トルク230Nmを発生する直3ターボエンジンを搭載。WLTCモード燃費は15.6km/L。

アクセルの踏みはじめから沸々と豊かなトルクを発揮しながらクルマをスルスルと前へと進ませ、流して走ろうと思えばそのままトルクの最も美味しいゾーンをキープしながら滑らかに力不足を感じさせることなくクルーズできる。ちょっと元気よく走ろうと思えば、さすがに高回転域でこそややトルクのドロップを感じるものの、気持ちよく速度を伸ばして想像以上のスポーティなドライビングを楽しませてくれる。車重は1.5Lディーゼル搭載のアリュールより60kg軽いため──エンジン重量の差だと思われる──鼻先の動きが軽く、曲がる楽しさも増している。エンジンとギアボックスを換えたメリットばかり感じられるのだ。

シフトノブの形状が違う以外、インテリアは従来型と変わらない。カーナビやオーディオ、空調までをタッチパネル式のディスプレイで操作する。多機能ながらスイッチ類が極端に少なく、実にシンプルで洗練されている。ただ質感が高いだけではなく、もうひと味足されているのが308ならではだ。

それに、乗り心地。これは熟成が進んでる証でもあるのだろうが、細マッチョ系の筋肉がついた脚を柔らかな肉球で守ってるかのような猫系の乗り味は、快適さと運動性能をしっかり両立させているもの。満足感はかなり高い。
パワーとトルクに優り、安全技術系と運転支援系の装備を標準で備え、283万9000円。間違いなくゴルフと真っ向から戦える。

フォト =郡 大二郎/D.Kori ル・ボラン2019年9月号より転載

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