世界63台限定で、すでに完売
9月3日、ランボルギーニは9月10日に開幕するフランクフルト・モーターショーにおいて、新型ハイブリッド・スーパースポーツカー「Sián(シアン)」を発表することを明らかにした。
イタリア・ボローニャの方言で「稲妻の閃光」を意味する車名が与えられたシアンは、ランボルギーニの未来を示すモデルで、V12エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドパワートレインを搭載。V12エンジンはチタン製インテークバルブを組み込むことで774psを発生、34hpのモーターと合わせてシステム総合で807psを引き出す。0-100km/h加速は2.8秒以内、最高速は350km/h以上をマーク。史上最速のランボルギーニ車であると同社は紹介している。
エネルギー蓄積技術はリチウムイオンバッテリーではなく、スーパーキャパシタを採用。もともとはアヴェンタドールで開発された技術で、同じ重量のバッテリーより3倍パワフルでありながら、同出力を生み出すバッテリーの3倍軽量となることが採用の理由だ。このスーパーキャパシタと電気モーターを装備したシステムの重量はわずか34kgに抑えられている。
ブレーキには回生システムが取り入れられ、同じ出力でチャージとディスチャージが可能なスーパーキャパシタの動作により、エネルギー貯蔵システムはブレーキングのたびにチャージされる。貯蔵されたエネルギーは出力増大に利用可能で、ドライバーはモーターが自動的に切れる130km/hまで加速した際、トルク増大に利用できる。このシステムにより、非装備の車両より10%以上の高速走行が可能になるという。
スタイリングはランボルギーニの未来を明確に示している。かつてのカウンタックからインスピレーションを得ており、斜めのラインが特徴的なフロントフードなど、同社を手がけたマルチェロ・ガンディーニのラインが見て取れるが、シルエットには特徴的なエアロウイングなどの新機能が盛り込まれ、シアンならではの個性が与えられている。Y字型のLEDヘッドライトや六角形のテールライトなど、新世代ランボルギーニ車に通じるデザインエレメントも採用されている。リヤウイングはボディと一体化されており、走行中にパフォーマンスを高めるときにのみ、上方にせり出す仕組みだ。
一方でシアンは、新たなレベルのオートクチュールを表現している。ランボルギーニの創業年にちなみ63台が限定発売されるが、すべて同社のアドペルソナムとチェントロ・スティーレ(スタイルセンター)により、オーナーが個別にカスタマイズでき、独自の個性が与えられることになる。なお、63台すべてのオーナーはすでに決定しているとのことだ。
フランクフルト・モーターショー2019で披露されるシアンは、グリーン系のVerde Geaのボディに、Oro Electrum(エレクトリックゴールド)のホイールを組み合わせ、電動化された未来のランボルギーニ像を表現。インテリアはTerra di Sant’Agata Bologneseと呼ぶブラウン系のポルトローナ・フラウレザーが組み合わされ、初めて3Dプリントした部品を採用している。
ランボルギーニのデザイン部門を率いるミィティア・ボルケルトは次のようなコメントを発表している。
「最速のランボルギーニは、視覚と音で満足させ、それを運転する人々にとっても、走る姿を見る人々にとっても、素晴らしいものでなければなりません。シアンはカウンタックからインスピレーションを得ていますが、過去への回顧でなく未来の象徴です。アドペルソナムによる全面カスタマイズが特別感を高め、それにより63名の全オーナーが、私やチェントロ・スティーレチームとともに創造する特権が与えられます。世界中の63名のオーナーたちが、最速かつ、唯一無二のランボルギーニを所有することになります」
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