【海外試乗】「AUDI A4」プレステージ性が高まったニューフェイスが魅力

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フェイスリフトとはいえ大幅にアップデート

アウディA4がフェイスリフトを受け、内外装のデザイン変更、マイルドハイブリッドの追加設定などが行われた。今秋に欧州デビューを果たす新型A4の感触はいかに?

ボディサイズは若干大きくなりながらも、先代よりも大幅な軽量化に成功。ボディカラーは新色のテラグレーなど12色を設定。

今年の春、スタジオでスタティック取材を行なったフェイスリフト版のアウディA4。そのステアリングを握るチャンスがいよいよ巡ってきた。

街中の信号機データを車載コンピュータが受信して、信号が変わるまでの時間を知らせる「V2I」など、オンラインサービスも充実。

現行A4は2015年に5世代目が発表されたが、3年の時が経過した2018年も34万5000台が出荷されたアウディの屋台骨を支える重要なモデルである。そしてこの先に行われる予定のフルモデルチェンジまでの間、市場にアップデートする技術とデザインのインパクトを与えるため、今回のフェイスリフトが実施されたわけだ。その内容は、12Vによるマイルドハイブリッド(MHEV)化、そしてエクステリアおよびインテリアデザインのリフレッシュが主だったポイントとなる。

スマートフォンアプリ「myAudi」の「アウディ・コネクト・キー」は、最大14名まで登録可能。センターコンソールには従来のダイヤル式に変わって音響フィードバック付きのMMIタッチディスプレイを装備。

エクステリアデザインではスポーツ性が強調されており、シングルグリルフレームはさらにワイドに、そしてフラットに変化すると同時に、ボンネットの先端との間にスリットが入った。またLEDヘッドライトの輪郭もジグザグが消え、横長ですっきりした形状に。
今回のフェイスリフトでもっとも力が入っているのは、サイドパネルの新しいデザインである。これまでの特徴であった、サイドに流れるようなプレスラインは消えて、代わりに初代クワトロを思わせるブリスターフェンダーラインが与えられた。つまりサイドパネルのプレスラインはすっかり様変わりしたわけで、フェイスリフトでここまでの変更があったというのは見たことがない。

一方、インテリアもMMIシステムが一新され、これまでセンターコンソールにあった回転ダイヤルがなくなり、代わりに10.1インチのMMIタッチディスプレイが操作の中心に。また、他のメーカーに追従して認識範囲の広い音声入力が可能になった。
今年9月に欧州で発売される際のラインアップは、3基の4気筒TDIと1基のV6TDI、そして3基の4気筒TFSI、そしてS4用の3L V6TFSIで、パワーでは136psから347psまで幅広く用意される。

今回、試乗車に選んだのは、A4 45 TFSIクワトロのセダン。乗り込んでまず感じるのは、まるで家に帰ったような気取らず落ち着ける雰囲気に包まれているなということ。245ps/370Nmを発生する2L4気筒エンジンは、低回転域から十分なトルクを発生させ、スムーズで力強く、しかも静かに加速を開始する。これなら6気筒エンジンは不要だと感じるほどだ。組み合わされるトランスミッションは7速Sトロニックで、スムーズでダイレクトなシフトフィールを持っている。カタログによるダイナミクス性能は0→100km/h加速が5.8秒、最高速度は250km/hでリミッターが介入する。

また12Vのマイルドハイブリッドはベルト駆動のスタータージェネレーターがエネルギー回生を行い、10Ahの補助バッテリーに充電。55km/hから160km/hの間でコースティング中に内燃機関(ICE)は休止し、最大で100kmあたり0.4L燃費を向上させることができるという。

スポーティなエクステリアデザインと最新のインフォテイメントが与えられた新しいA4。フェイスリフトとは思えないほど充実したアップデートを遂げて、より一層上質感が高まったミドルクラスモデルへと生まれ変わっていた。

ル・ボラン2019年9月号より転載

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