現代のメルセデス・ベンツまで継承される“あのマーク”が110周年

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初めて商標登録した1909年から110年にわたり維持されてきたカリスマ的シンボル

ダイムラーはこのほど、メルセデス・ベンツのエンブレム「スリーポインテッドスター」が、1909年6月24日に商標登録してから110周年を迎えたことを報じた。

ドイツ・シュトゥットガルトにある「メルセデス・ベンツ ミュージアム」では、歴代のエンブレムを見ることができる。

ダイムラー社は、ドイツ人技術者のカール・ベンツが1883年に創立した「ベンツ社(Benz & Cie)」と、同じくドイツ人技術者のゴットリープ・ダイムラーがヴィルヘルム・マイバッハらと1900年に設立した「ダイムラー・モトーレン・ゲゼルシャフト社」が、1926年に合併し、ダイムラー・ベンツ社(当時)となったのがはじまり。そこで生まれたのが「メルセデス・ベンツ」というブランドだ。

メルセデス・ベンツのエンブレムは、円で囲まれた三つ星で表されている。この三つ星が、陸(自動車や戦車)、海(船舶)、空(航空)の3つの分野での活躍を目指してつけられたことはよく知られている。

1909年にドイツの特許庁に商標登録してからちょうど110周年を迎えたメルセデス・ベンツのエンブレム、実は商標登録時から現在までで、デザインが変化している。

1909年に商標登録した当時のデザイン。スリーポインテッドスターは円で囲まれていなかった。

商標登録時のエンブレムは囲まれた円のない、三ツ星だけのものだった。その後、1916年には円で囲むものになるとともに、「MERCEDES」の文字や4つの星が追加された。その後、1926年には月桂樹が三ツ星を囲み、「MERCEDES」と「BENZ」を表記したデザインに変更し、基本的には現在までこのエンブレムが使用されている。メルセデスのオーナーや所有した経験があれば、愛車のボンネット先端などに装着されたこのエンブレムの存在をよくご存知だろう。三ツ星を月桂樹で囲むようになったのは、1907年から1909年にかけてモータースポーツレースで数々の勝利を獲得したことに由来している。

1916年には円で囲むものになるとともに「MERCEDES」の文字や4つの星が追加。

一方で、メルセデス車のフロントグリル中央に装着されるものなどには、三ツ星を円で囲んだシンプルなデザインが使用されているものもある。ちなみに、フロントグリルの中央にこのエンブレムを装着した最初のモデルは、1965年に登場したメルセデス・ベンツ300SL(W194)のレーシング仕様だった。それまでのレーシングマシンは、ボンネットの先端にマスコットを装着していたが、マシンのエアロダイナミクス性能を高める目的で、フロントグリルに装着するようになったとのこと。

1926年には月桂樹が三ツ星を囲み「MERCEDES」と「BENZ」を表記したデザインに変更。

以来、高性能モデルブランドの「メルセデスAMG」車を中心に、エンブレムはフロントグリル中央に装着されるようになった。現在では標準のメルセデス・ベンツ車にもこの手法を採用するモデルがほとんどで、ボンネットの先端にマスコットとして装着しているのは旗艦サルーンのSクラスセダンなどの一部に限られている。

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