新たな出資によりプラットフォームがより磐石に。米ウェイモへの対抗も
トヨタ自動車とソフトバンクが提携し、新世代モビリティサービスのプラットフォーム構築を掲げた「モネ・テクノロジーズ(MONET)」の「仲間」がさらに拡大する。MONETは、自動運転車を主体としたクルマとヒト、モノの移動を、先端情報システムを駆使して効率的につなぐMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)のプラットフォーム共同企業体という形で2018年10月にスタート。2019年3月にはトヨタグループの日野自動車とホンダが出資とともに参画し、規模拡大を図っている。
そして2019年6月末にはスズキ、スバル、マツダ、いすゞ自動車、ダイハツ工業も加わり、これで日産自動車と三菱自動車以外の国産メーカーはすべてMONETに参加する形となった。出資率は新たに参画する5社は2%ずつ、日野とホンダは出資率を高めて10%ずつとなり、結果としてトヨタが34.8%、ソフトバンクが35.2%と出資比率を下げたことで共同企業体のスタイルが鮮明になったという見方もできる。
2社がリードする形は変わらないが、コネクティッドカーなどの分野では参加メーカーが多いほどサービスを受けるユーザー側の利便性も増すことになり、サービスを提供する企業もコストを抑えやすいなどのメリットが考えられる。現時点ではまだ具体的なサービスは実施されていないものの、移動の利便性向上に加え、クルマ単体だけでなくインフラも含めた安全性の向上、人手不足に悩む物流の問題解決など、社会全体に幅広く関わっていくことになる。
一方で三菱を含むルノー・日産アライアンスは、ほぼ同じ時期に自動運転サービスを進める米国のウェイモ(Waymo)とドライバーレス・モビリティサービスで提携し、フランスと日本に合弁会社を設立することで合意。MONETほど広範囲ではないが、モビリティサービスの具体化を進める考えだ。現時点ではこのルノー日産+ウェイモの動きとMONETが対抗する形となるのか判断しにくいが、欧州では同じような形でダイムラーとBMWも手を結んでおり、システムの標準化などで勢力争いが起こる可能性もある。利用するユーザー側としては、規格は統一しつつ健全な競争となるのが望ましいが、果たしてどういった形でサービスが展開されることになるのか。しっかり見ていく必要がありそうだ。
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