ロータスからフルEVのスーパースポーツが登場! その名は「エヴァイヤ」

2019/07/17 03:00

システム全体で最高出力2000ps以上、最大トルク1700Nmを発生!

ロータス・カーズはイギリス時間7月16日午後7時(日本時間7月17日午前3時)、自身にとって初のフルEVモデルとなるEvija(エヴァイヤ)を発表した。

それより2週間ほど前の7月5日。グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのロータス・ブース内において、ごく少数のメディア、カスタマーを対象としたプレビューに参加し、実物を見ることができた。正直なところ今年に入って「ロータスが新しいEVを発表する」という噂を聞いた時は、いつものアルミ・バスタブシャシーにEVユニットを搭載した既存の亜流モデル(思えば2006年に発表されたテスラのファーストモデルもそうだった!)だろうと思っていた。しかし目の前に現れたエヴァイヤはCFRP製のモノコック、ボディをもつ真っさらなブランニューカーであった!

ちなみにロータスは初代エリート以来、頭文字がEで始まる名前をロードカーに名付けてきたが、今回のエヴァイヤには「最初の存在」もしくは「唯一のもの」という意味が込められているのだそうだ。まだショーカーの段階で市販化に向けての変更点もあるとのことだったが、シルバーとブラックの2トーンに彩られたエヴァイヤは全長4459×全幅2000×全高1122mmと、想像以上にワイド&ローの迫力あるプロポーションをしている。シャシーはロータスのロードカーとして初となるワンピースのフルカーボン・モノコックで、なめらかで抑揚のあるボディパネルもカーボン製となっている。

そのボディをよく見ると、フロントマスク、ボンネットフード、リヤフェンダー、テールにそれぞれ大きな開口部があるのがわかる。実はそれこそがPorosity(多孔性)」というキーワードで表現される、エヴァイヤ独自のデザイン手法だ。スタイリングを担当したラッセル・カーは言う。

「我々はこれまでのロータスとは次元の異なる高いパフォーマンスを実現するために、ドラッグの低減とダウンフォースの増大を両立する必要がありました。そこで最新のレーシング・テクノロジーや航空工学を研究し、ボディ上面と、アンダーボディのエアフローを組み合わせウイングなどの付加物を設けずダウンフォースを得る方法を考えたのです」 

後方視界はカメラによって、コックピット上部と左右に設けられたモニターで確認するようになっている。またサイドミラーの役目を果たすバックビューカメラは、ドラッグを低減するために通常はドアに収納可能される。

具体的に説明すると、フロント左右のインテーク(中央はバッテリーの冷却口)から入った空気は、内部に仕込まれたウイングに当たりダウンフォースを発生。さらにフロントモーターの冷却を行いながら、ホイールアーチを抜けてリヤフェンダーに設けられたインテークに引き込まれ、そのままテールの大きな開口部から排出されることで、リヤにもダウンフォースを発生しているのだそうだ。またフラットなフロアも、中央からリヤにかけて大きなデュフューザーが立ち上がってダウンフォースを発生させている。その数値はまだ公表できないということだったが、ボディ全体でLMPマシン並みのダウンフォース量があるとカーは説明してくれた。

 

さらにF1でお馴染みのDRS(ドラッグ・リダクション・システム)も装備されており、走行モードをサーキット用の「トラック」にすると自動的にデュフューザー後端の中央部分とリヤスポイラーが迫り上がるようになっている。パワーユニットは、ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング製で出力500ps以上のモーターを4つのホイールに配置したAWDレイアウトを採用。システム全体で最高出力2000ps以上、最大トルク1700Nmを発生。Xトラック製のトランスミッションはシングルギヤ・タイプで、0-100km/h加速3.0秒以下、最高速度320km/h以上を記録する予定という。また2000kWのリチウムイオンバッテリーは、ボディバランスを考慮しドライバーズシートの後ろに低くコンパクトな状態で収納され、7分間のフルパワー維持と400kmの最大航続距離を誇るとアナウンスされている。

「EVというと重量の問題を気にされるかもしれませんが、エヴァイアには軽くて革新的というコーリン・チャップマン以来のロータスの伝統が息づいています。車両重量はわずか1680kgですよ。しかも将来的にバッテリーユニットがより高性能化したら、そっくり入れ替えられるような設計にしてあります。それもEVの強みですね」

サスペンションは前後共にプッシュロッド式のダブルウィッシュボーンを採用。チタン製のホイールはフロント20インチ、リヤ21インチの異サイズで、ブレーキは回生機能付きのベンチレーテッド・セラミック・ディスクとなっていた。

一方、バタフライ式のドアを開けて広がるコクピットの光景も、これまでのロータス・スタイルとは一線を画するものとなっている。まず目につくのは、スイッチの沢山付いたF1のような楕円形のカーボン・ステアリングだ。その下側には「ツアー」を標準として左サイドに「シティ」「エコ」、右サイドに「スポーツ」「トラック」と5段階に分かれた走行モードのセレクタースイッチが備わるほか、DRSのスイッチ、スピーカーのボリュームコントロールや、ウインカースイッチなども装備される。またステアリング裏側には左右にパドルシフトもついており、モードによってはギヤシフト的な操作もできるようになっているのかもしれない。カーによると、それぞれのボタンの操作感は「クラシックカメラ」のようにカチカチとした感触になるよう拘ったという。

メーターナセルはLG製のモニターのみで、ここに速度、走行モード、バッテリー残量、ナビ、オーディオといった車両情報の全てが表示されるようになっている。またスターターボタン、D、R、Nといったギヤセレクト、エアコン、オーディオなどの操作はセンターコンソールで行うようになっているのだが、それぞれを独立した六角形のタッチパネルとすることで、走行中に視線を落とさずに操作できるようしたそうだ。

シートはカーボンシェルのバケットタイプで前後のみ調節可(生地やステッチはカスタマイズが可能)。シートバックに小物入れなどのスペースがない代わりに、左右ドア後方に小さな格納式のストレージが設けられていた。

これから本格的なテストが開始されるというエヴァイヤは、2020年末のデリバリーを予定。その生産台数はTYPE130にちなみ130台の限定で、価格は本国で150万〜200万英ポンドといわれている。

「フロントインテーク内のウイングはロータス72F1、ダッシュボードを支えるカーボンのフレームワークはマセラティのバードケージ、コックピットは超音速偵察機SR-71のキャノピーのイメージです」

リヤの大きな開口部の周りにはLEDのテールランプが埋め込まれているのだが、これはジェット機のアフターバーナーを意識したデザインだという。またリバーズをセレクトするとLOTUSバッジのTが光り、バックランプの役目を果たすのだが、これはあくまでショーカー用のギミックに終わりそうだ。

specification
ロータス・エヴァイヤ
※スペックは本国仕様
ボディサイズ:全長4459×全幅2000×全高1122mm
ホイールベース:ーーmm
乾燥重量:1680kg
パワートレイン:4モーター
最高出力:1470kW(2000ps)
最大トルク:1700Nm(173.3kgm)
駆動用バッテリー:リチウムイオン電池
総電力量:70kW/h / 2000kW
トランスミッション:1速固定
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前後 プッシュロッド式ダブルウイッシュボーン
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク(カーボンセラミック)
タイヤサイズ:前265/35ZR20  後325/30ZR21
最高速度:320km/h以上
0→100km/h加速:3.0秒以下
航続距離:400km
充電時間:18分(350kWチャージャー使用時)
車両本体価格(予定):150万〜200万英ポンド

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