ブリティッシュ・レイランドのミニ/今回は面白味のないカタログで申し訳ありません!【自動車型録美術館】第9回

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ブリティッシュ・レイランドのミニ/BRITISH LEILAND MINI

毎回、掲載するカタログをどのように選んでいるのか、気になっている読者もおられるのではないでしょうか。

企画室ネコの思い出

わたしにとって人生初の原稿依頼は、ネコ・パブリッシングの前身である企画室ネコからのものでした。当時は、まだ大学生で、インターネットなどという便利なものはなく、原稿を持って、用賀の小さなビルにあったネコの編集部を訪ねたことを覚えています。

自動車関連書籍の少なかった頃なので、もちろん、カー・マガジンの母体であるスクランブル・カー・マガジンの創刊ゼロ号も購入しました。初期の企画室ネコに思いを馳せると、まず思い出されるのがミニとスカイラインです。

本稿におけるカタログ選択の仕組み

この連載を立ち上げるに際し、とりあえず、ざっと50部ほどのカタログをカー・マガジンの編集部に預けました。それらのなかから何を選択するかは、ここのところ編集長に丸投げ、全くのお任せ状態です。

編集長によって何が選ばれるのか、不安半分、期待半分といったところで、毎回、たのしみになりつつあります。ほぅ、これを選びましたか、と意外だったのが今回のセレクション。今月もミニで行きます、と聞いてはいたものの、ブリティッシュ・レイランドのミニとは、すっかり予想が外れました。オーソドックスにクーパー系のカタログが選ばれるとばかり思っていたからです。読者のみなさんも、私と同じように毎回たのしみにしていただけるとうれしいです。

今回は少しだけ内輪話をさせていただくことにしました

カタログを愛する読者の皆様、今回は面白味のないカタログで申し訳ありません。と、思わず謝ってしまいたくなるようなカタログです。(意見には個人差があります)。前回の、ミニが登場した時のカタログと較べてみてください。英国の自動車産業が斜陽していく様子が、このカタログからも感じられてなりません。最近、『イギリス毒舌日記』という本を読みました。わたしには珍しく最後まで読み終えたのですが、カーライルに暮らす著者が、英国のダメダメぶりを容赦なく書いているので面白いこと、お薦めです。多分イギリス毒舌日記の著者も、そしてわたしも、そんな英国が嫌いにはなれないのです。

 

Text:板谷熊太郎 /Kumataro ITAYA カー・マガジン461号(2016年11月号)より転載

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