シトロエンCX25Dファミリアールは1974年のカー・オブ・ザ・イヤーに輝いた7シーター【旧車ビギナーは要注意!100万円でドロ沼に陥る!?】

当時のディーゼルエンジンの魅力は構造がシンプルな点

ここで取り上げたCXファミリアールは、足まわりはひと通り手が加えられており、ステアリングについてもガタが出ていたため、タイロットエンドとジョイント部分は交換済みでキッチリと整備されている。エンジンはディーゼルで低速トルクがあるためフル乗車でも問題なし。取材に協力していただいたモダンサプライの鈴木さんによると、ディーゼルエンジンの魅力として、構造がシンプルな点が挙げられるそうだ。というのもガソリンエンジンでは、意外にも点火系がウィークポイントなっているため。ただしディーゼルモデルは、居住地域によっては登録できないケースがあるため注意したい。足まわり同様、エンジンも整備されており、クランクシールやカムシール、さらにはカップリングとプーリーも交換済みで、ディーゼルの肝ともいえる燃料噴射ポンプもO/H済みだ。

広大なラゲッジスペース:サードシートを立てた状態でもラゲッジスペースは十分だが、倒せばより広大な容量が確保できる。ちなみに大人がサードシートに座ると身動きできないなんてことはない。

気になるハイドロ系については、スフィア、リターンホースは交換済み。CXでは、ブレーキ、ステアリング、サスペンションにハイドロが使われているが、構造はシンプルなため、それほど苦労することはないと鈴木さん。また嬉しい情報として、パーツはストックされているため、故障で乗ることが出来ないといったケースに陥ることはないようだ。ただし高価なパーツがある。

歴代最高のシート:歴代シトロエンの中で最高のシートとの呼び声が高い、CXの中でもシリーズ2のファブリックシート。シートが体に合わなくて、なんて嘆いているオーナーは一度体感すべし。

各部に手が入っているため、ハッキリ言って恐れることはない。写真で判断すると間違いなく買い! なのだが、撮影した前田カメラマンのシトロエン愛の大きさゆえか、非常にキレイに写っているので、このイメージを持ったままのご対面はちょっと待った。化粧美人に惚れて、すっぴんを見てげんなりという程の落差はないが、気になる方はちょっと気持ちを落ち着けて対面を果たしていただきたい。

ツッコミどころはありますが:1本スポークのステアリングやグリップ式のドアノブ、ディッシュタイプのホイールキャップなどデザインコンシャスな見どころ満載。写真では見えないが、エアコンの吹き出し口が欠損していたりするので、コンディションは現車を見てしっかり確認したい。

1987 CITROEN CX 25D FAMILIALE

価格●1,208,000 円

レア度 ★★★★
パーツ入手度 ★★
ドロ沼度 ★★★★

サードシートはオマケか? と首をかしげたくなるような7シーターが多数ある中、CXファミリアールは全席しっかり活用できる。LWB+ハイドロの乗り味を、フル乗車で検証していただきたい。鈴木さんによると、パーツの供給は問題ないが価格が上がっている物や、入手に時間がかかる物もあるそうだ。

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Text:中本健二/Kenji NAKAMOTO Photo:前田恵介/Keisuke MAEDA カー・マガジン445号(2015年7月号)より転載

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