ベントレー「新型フライングスパー」発表! ミュルザンヌに迫る堂々とした存在感

全ての画像を見る

イギリス・クルー本社時間6月11日11時、ベントレー・モーターズは3代目となる新型フライングスパーをワールド・プレミアした。

それに先立つ5月23日、クルー本社内にあるフラッグシップ・ショールーム“CW1ハウス”に世界中から限られたメディアを集めて3Dプレビューが行われ、いち早く実車に触れることができたので、その感想を含めご紹介していきたいと思う。

3代目となるフライングスパーも、これまでの例に倣い2017年に登場したコンチネンタルGTをベースとしている。その第1印象は、フラッグシップのミュルザンヌにも勝るとも劣らない堂々とした存在感を放つ一方で、よりクーペライクに洗練されたフォルムになったというものだった。

フロントマスクは内部にクリスタルカットを施したLEDマトリックス・ビーム・ヘッドランプを配したコンチネンタルGTに似たデザインだが、縦基調のグリルや、バンパー下のアンダーグリルなどミュルザンヌのようなエレガントなディテールが施されているのが特徴と言える。合わせて格納式のボンネットマスコットが2016年以来の変更を受け、新デザインとなったのもトピックのひとつだ。

一方“B”マークを模したLEDテールランプをもつリヤデザインはフライングスパー固有のもので、なだらかな傾斜を描くルーフからのラインと、サイドのキャラクターラインが特色となっている。これらは技術が向上し、より複雑な面を一体成型できるようになったスーパーフォーミュング製法の賜物でもある。

今回ディメンションは明らかにされなかったが、コンチネンタルGT同様フロントアクスルが従来より130mm前進。ロングノーズのフォルムが強調されていることもあり、一回り以上大きくなった感じがするが、実際の全長は先代から僅かに長くなっただけで、ほとんど変わっていないという。また新設計のモノコックはアルミ製でホワイトボディの状態で先代より38kgの軽量化を達成している。

エンジンは6LのW12DOHCツインスクロール・ターボで、最高出力635ps/5000~6000rpm、最大トルク900Nm /1500~5000rpmと、コンチネンタルGTと同じスペック。コンチネンタルGTと同様にアクティブエンジンマウントを採用するほか、デュアルマス・フライホイールなどで15%の効率改善が図られている。組み合わされるギヤボックスは8速のディアルクラッチトランスミッション。その最高速度は333km/hとコンチネンタルGTと同じ。0-100km/h加速も3.8秒と、僅か0.1秒及ばないだけだ。

この新型フラインススパーのメカニズム的なトピックが、ベントレー初となる4WS“アクティブ・オール・ホイール・ドライブ”の採用だ。低速域で逆位相、高速域で同位相に作用する4WSにより、ロングホイールベースのシャシーでも回頭性や、高速時のレーンチェンジなどの安定性が向上。ロール剛性やシャシーバランスをコントロールする48Vシステムのベントレーダイナミックライド、60%エアボリュームを上げた3チャンバーエアサスペンション、トルクベクタリングなど、すでにコンチネンタルGTに投入されている技術を組み合わせることで、“スポーツセダン・ミーツ・ラグジュアリー・リムジン”という、コンセプトを実現することができたという。

さらにドライビング・アシストも充実しており、アダプティブ・クルーズ・コントロールの他にシティブレーキ・アシスト、パーキング・アシスト、ブラインドスポット・ワーニング、リバーシブ・トラフィック・ワーニングなどを装備している。

インテリアはデジタル・インストメント・クラスター、そして12.3インチのHDディスプレイを内包したローテーションディスプレイなど、コンチネンタルGTの流れを汲むものになっているが、左右に広がるベントレー・ウイングをイメージした基本デザインに合わせ、空調の吹き出し口に新たなディテールが加わったり、世界初となる3Dテクスチャーレザーがオプションで用意されるなど、フライングスパー独自の世界が演出される。

タッチパネル式の12.3インチのHDディスプレイでは、エアコン、ナビ、オーディオの他にドライブモードや各種アシスタンスシステム、サンシェイドの開閉や照明(色や明るさの変更が可能)の調節、ボンネットマスコットの収納など、あらゆる操作がワンタッチでできるようになっており、快適装備の操作に関してはリヤの取り外し式コントローラーでも操作できるようになっている。

具体的な数値が出ていないので定かではないが、実際に座ってみた感覚としてはリヤシートの居住性は先代より向上しており、レッグスペースに余裕ができたように感じられた。またフロントに加え、リアにも用意されるようになったグラスルーフ(フロントのみ開閉可能。リヤははめ込み式)の効果は非常に大きく、彫りの深い3Dテクスチャーレザーのトリムを引き立たせ、広く華やかな空間となっていた。

新型フライングスパーは、この後6月15日に開幕するル・マン24時間でデモランを行なったのち、7月4日から開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでパブリック・デビューを果たすことになっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

注目の記事

「ル・ボランCARSMEET」 公式SNS
フォローして最新情報をゲット!