【海外試乗】「DSオートモビル・DS3クロスバック」アヴァンギャルドが止まらない!

新生DSのあるべき姿がこの一台に詰まっている

CMPのCは「コモン」を指し、全動力源を載せるプラットフォームの意。来年後半には136 ps(100kW)の「E-TENSE」も追加予定。

欠点はタイヤ外径に起因することだろうが、5.3mという最小回転半径はBセグとしては大きい。Uターン以上に旋回させられるヘアピンでは、ライン取りを前もって意識する要があった。
とはいえDS3クロスバックの魅力は、走り出す前から際立っている。その内的質感、インテリア内装の洒脱さは圧倒的でさえあり、同じセグメントに敵はない。「オペラ」あるいは初回限定版の「ラ・プルミエール」では、シート同様にダッシュボードに張られたナッパレザーに、染料を指にのせて表面にニュアンスをつけることで生まれる「パティーヌ仕上げ」が施されている。またオプション扱いながら、フランスの高級オーディオメーカーであるフォーカルを搭載するフランス車は他にもあるが、最上級システムの「エレクトラ」を選べるのはDSのみだ。

エアコン吹出し口を左右に配し、広さとダッシュボードの質感を強調。ADAS機能はレーンキープや緊急ブレーキ補助含め標準装備だ。

いわばDS3クロスバックには、小さな車格から窺い知れないほどの、エレガントな身のこなしと洗練された感触がある。「小さな高級車」であることは間違いないが、そんないい回しをどこか陳腐に感じさせてしまうのも、そのクラスレスな魅力の為せる技といえる。

リポート:南陽一浩/K.Nanyo フォト:プジョー・シトロエン・ジャポン/PEUGEOT CITOROEN JAPON ル・ボラン2019年6月号より転載

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