メルセデス・ベンツEクラスを凌駕するボルボ V90の意外性! 安心感のある踏力と制動力【清水和夫のDST】#84-2/4

期待を裏切らないベンチマーク、Eクラスを凌駕するV90の意外性

VOLVO V90 T6 AWD INSCRIPTION
●加速:0.39G(★★★★★)
●減速:1.21G(★★★★★)
ダブル過給のガソリンエンジンを搭載しているので、最高出力は320psと立派。最大トルクはE220dと同じ400Nmを発揮し、AWDシステムを採っているため、パワーロスが少なく、ロケットのような鋭い加速が印象的だった。ターボが効く前にスーパーチャージャーで素早く過給するので、フィーリングはまるでスポーツカーだ。それは数値にも表れていて、0→100km/h加速はE220dよりも1秒以上速い7.2秒を記録した。実測の車重が1940kgで、この速さは衝撃的といえる。対してブレーキはE220dと同じくらい、その踏力と制動力に安心感があり、ABSの効きと制御は信頼できるものであった。

MERCEDES-BENZ E220d STATIONWAGON
●加速:0.33G(★★★★☆)
●減速:1.10G(★★★★★)
欧州で批判を浴びているメルセデスのディーゼルユニットだが、E220dが搭載する新開発の2Lディーゼルは実用的な燃費とエミッションを意識して開発された秀逸なエンジン。加速フィールは4気筒としては十分に速く、世界でもっとも静かなディーゼルエンジンという印象だ。9速トルコンATとのマッチングも良く「1→2→3→4」とスムーズに変速してくれるが、それでいてとても力強い。194ps&400Nmのパワーは車格、車重とのバランスが取れていて実際に扱いやすい。ブレーキも素晴らしい。ポルシェのようなしっかり感があるし、使いやすく安心感もある。ABSの作動も正確だ。

リポート:清水和夫 フォト:篠原晃一 ル・ボラン 2017年10月号より転載

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