世界初の新4WDシステムを採用して日本復活
4月10日、トヨタはフルモデルチェンジを受けた新型「RAV4」を発売した。モデルラインナップおよび消費税込みの車両本体価格は以下のとおり。
・X:2,608,200円(FF)/2,835,000円(4WD)
・G:3,202,200円(4WD)
・G“Zパッケージ”:3,348,000円(4WD)
・アドベンチャー:3,137,400円(4WD)
・ハイブリッドX:3,202,200円(FF)/3,450,600円(4WD)
・ハイブリッドG:3,817,800円(4WD)
初代RAV4は1994年に誕生。乗用車タイプのSUV(クロスオーバーSUV)として新たな市場を開拓。2005年に登場した3代目までは日本で販売されていたが、2013年に登場した4代目からは米国などの海外専売モデルになっていた。このたび登場した5代目から、再び日本で発売されることになったのである。
新型の開発コンセプトは「Robust Accurate Vehicle with 4 Wheel AWD(SUVらしい力強さと使用性へのきめ細かな配慮を兼ね備えた4WD)」。
ボディサイズは全長4600×全幅1855×全高1685または1690mm(アドベンチャーは全長4610×全幅1865×1690mm)で、ホイールベースは2690mm。現行ハリアーより全長が125mm短いが、全幅は20mm大きく、全高は同レベル。ホイールベースはRAV4の方が30mm長い。
パワートレインはガソリンとハイブリッドの2種類を設定。ガソリンは171ps/207Nmを発揮する2.0L直列4気筒とダイレクトシフトCVTの組み合わせ。WLTCモード燃費はFF車で15.8km/L、4WD車では15.2km/Lをマークする。
ハイブリッドは178ps/221Nmを発揮する2.5L直列4気筒エンジンに、電気モーターの組み合わせ。FF仕様のフロントモーターは120㎰/202Nmを発揮し、4WD仕様ではこれに54㎰/121Nmのリヤモーターが追加される。WLTCモード燃費はFF車で21.4km/L、4WD車では20.6km/Lだ。いずれのパレートレインも、ガソリンエンジンは新世代の「ダイナミックフォースエンジン」が採用された。
新型RAV4には合計3種類の4WDシステムが、グレードに合わせて搭載されている。まずガソリン車の上級グレード「アドベンチャー」と「G“Zパッケージ」に搭載されるのが、世界初となる「ダイナミックトルクベクタリングAWD」。走行状況に応じて前後トルク配分や後輪トルクを左右独立で制御する「トルクベクタリング機構」と、4WD走行が不要と判断した際には後輪への駆動系を切り離して燃費向上を図る「ディスコネクト機構」を備えている。
ガソリン車のX(4WD車)とGには「ダイナミックトルクコントロール4WD」を搭載。これはハリアーのガソリン4WD車に搭載されているものと同様で、前輪駆動状態と4輪駆動状態を自動的に電子制御するもの。通常の走行時は前輪駆動で燃費効率の高い走りを実現し、発進時や滑りやすい路面を走行するときは車両の状態に合わせて最適なトルクを後輪に配分する。
そしてハイブリッド車(4WD車)に搭載される「E-Four」。前後輪のトルク配分を100:0〜最大20:80まで変更可能な新制御を採用。コーナリング中の前後トルク配分を最適に制御し、操縦安定性を高めたほか、後輪のトルクを上げたことで、降雪時や雨天時における登坂発進時の安心感も向上させている。
いずれの4WD車にも、4WD統合制御システム「AWDインテグレーテッド・マネジメント」が搭載され、駆動力や4WD、ブレーキ、ステアリングを統合制御。路面や運転状況に合わせて選択できるマルチテレインセレクトやトレイルモード、ドライブモードセレクトの走行モードに応じて各制御を最適化し、優れた操縦安定性と走破性、そして快適な走行性能を実現している。
エクステリアは、「アドベンチャー&リファインド」をコンセプトに、アクティブで力強いワクドキ感(アドベンチャー)と、都会にも似合う洗練さ(リファインド)を併せ持つデザインを実現。幾何学形状の8角形(オクタゴン)が造形のテーマとなっており、タフさと安定感のある個性的なデザインが表現された。
ガソリン車にはオフロードイメージを象徴する最上位グレード「アドベンチャー」を設定。このグレードには専用デザインのフロントグリルとスキッドプレートに加えて、ボディのリフトアップ感を強める専用フロントバンパーとフロントフォグランプベゼルを装備。専用デザインの19インチアルミホイールや大型化したホイールアーチモールによって、足まわりの力強さも強調されている。
インテリアでは圧迫感を抑えたインスツルメントパネルや、室内から見えないように設計したワイパーなどにより、すっきりとした運転視界を確保。ドアミラー取り付け位置の最適化や三角窓により、斜め前方の視界も向上させている。さらにリヤクォーターガラスの拡大やリヤドア後部のピラー断面を小さくすることによって、斜め後方の視界も良好になっている。
荷室容量はクラストップレベルの580Lを確保。さらに6:4の分割可倒式リヤシートや、荷室床面の高さを2段階に調節できる2段デッキボードの採用により、荷室容量を多彩にアレンジすることができる。
そのほか装備面では、スマートキーを携帯していればリヤバンパーの下に足を出し入れするだけでリヤゲートが自動開閉する「ハンズフリーパワーバックドア」(一部グレードに設定)を採用した点も新型のトピックだ。なお、トヨタの最新予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」は全車に標準装備された。
コネクティッドサービスとしては、車載通信機DCMが全車に標準装備され、T-Connectサービスが3年間無料で提供される。また、突然の事故や急病時にヘルプネットボタンを押すだけで専門のオペレーターを通じて緊急車両の手配ができるヘルプネットや、エアバッグ作動時には自動でオペレーターに接続し、ドクターヘリ等の早期出動判断を行う「D-Call Net」にも対応している。