【チビカメKeigoのラリー漫遊記】WRC2モンテカルロ編

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いまや本家WRCより熱い!? 「WRC2」の見どころは?

前回は主にワークスチームの戦いっぷりをお伝えしましたが、今回はWRC2やプライベーターの様子をお伝えしようと思います。各ワークスの動向は色んな媒体で紹介されているし、テレビでも紹介されているけど、WRC2やJWRCとなると、日本ではほとんど紹介されてないと思います。ボクはどちらかというと、日本だとあまり目にしないこれらのカテゴリーが好きで、ワークスチーム以上にいっぱい写真を撮ったりしています。変なやつですね~。未来のワークスドライバー候補や地元の若くてイキのいいヤツがいたりするので、面白いんですよ。

若干18歳でワークスドライバーのカール・ロヴァンペラ。オヤジのハリ・ロヴァンペラもプジョーや三菱で活躍したラリードライバー。でも今や息子の方が有名に。

免許の無い頃からラトビアやフィンランドの国内戦に参戦していて、イタリアにいたっては彼を参戦させるためにルールを変更して無免許でも参戦できるようにしたんだから、どれだけの人物か伺い知れます。無免許の頃はリエゾンはコドラが運転してましたよ。

R5マシンで争うWRC2。今年からWRC2プロってカテゴリーができました。去年までワークスチームとプライベーターチームが混在していたWRC2を、ワークスとプライベーターで分けたってこと。同じR5マシンで選手権が別なので、ぱっと見は分かりにくい気もするけど。WRC2プロにはシトロエン、フォード、シュコダなどが参戦。シトロエンは去年までワークスで走っていたマッズ・オストベルグ、フォードはイギリスの若手、ガス・グリーンスミス、シュコダがカール・ロヴァンペラ、18歳! がおもだった面々。オストベルグは次戦スウェーデンからの参戦。WRC2プロは参戦チームがまだ少ないので、面白みには欠けるかなあ。

昨年のフランスチャンピオンのヨアン・ボナートのC3 R5。

地元の利もあるんだろうけど、さすがはフランスチャンピオン。貫禄の走りでWRC2を制しました。

ボクとしては地元のスペシャリストや若くて勢いのあるドライバーが多く参戦するWRC2の方に注目しています。個人的には、外観がゴテゴテしすぎなWRカーよりも市販車に近いR5マシンの方が見た目も好き! とくに去年デビューしたポロGTI R5なんてほんとにカッコよくて、宝クジが当たったらボクも買いたいぐらい(笑)。

そんなボナートもこんな状態でフィニッシュしたステージもありました。ギャラリーが見守る中でタイヤ交換。リエゾンだって時間が決められているのですごい早技です。

R5マシンは各国の国内選手権、ヨーロッパ選手権やアジアパシフィック選手権といった地域選手権のトップカテゴリーで走っています。今年からは様々な制約はあるものの全日本ラリーにも参戦することが可能になりました。シトロエン、ヒュンダイ、Mスポーツ・フォードといったWRカーを走らせている各メーカーはすでにR5を走らせていて、ビジネスとしても成り立っていますが、そう、トヨタにはまだR5マシンが無いんですね。ヤリスR5、早く作らないかなあ。

WRC2プロで優勝したガス・グリーンスミスのフィエスタR5。

イギリスで今最も勢いのある若手、ガス・グリーンスミス。最近のイギリス人ドライバーっていうとトヨタのクリス・ミークぐらいしか思い浮かばないけど、彼の名前も覚えてあげて下さい。

今回のモンテカルロでのR5勢トップは、WRC2プロに参戦するフォードのガス・グリーンスミス。そこに続くのがWRC2に参戦する地元フランスチャンピオンのヨアン・ボナート。
なんかややこしいんだけど、WRC2プロの2位はカール・ロヴァンペラ。ただしR5勢でいうとかなり下位に沈んでいます。ちなみに、トヨタの育成プログラムから参戦している勝田貴元は今年はWRC2には登録せずに参戦。モンテカルロではR5勢6位でフィニッシュしています。

トヨタの育成プログラムから参戦中の勝田貴元のフィエスタR5。今年は昨年以上に参戦数を増やす予定。

3月と5月のフィンランド選手権にはヤリスWRCでの参戦が予定されていて、さらなる成長が楽しみ。

さらにさらに下位カテゴリーに目を向けると、フィエスタR2のワンメイクで開催されるジュニアWRCも面白いんだけど、今年はスウェーデン、コルシカ、サルディニア、フィンランド、GBの5戦のみ。去年までWRC3として開催されていたクラスとも共通の車両レギュレーションで、こちらもイキのいい若手がしのぎを削っています。

R2マシンを使うラリーの中には、フランス選手権で開催されているプジョー208ラリーカップというワンメイク戦があって、フランスや周辺の国々からWRCを目指す若者が参戦しています。

昨年のプジョー208ラリーカップチャンピオンのヨハン・ラッセルの208 R2。

日本じゃ考えられないけど、アチラではこうやってステージ脇で普通に肉焼いてます。煙りが出ようがお構いなし。そして、よい香りが漂ってお腹がすきます(笑)

今回、208 R2でRC4Bクラスを制したヨハン・ラッセルもそんなひとり。昨年の208ラリーカップのチャンピオンで、今年はC3 R5でERCに、208 R2でWRCに参戦しています。まだ24歳だけど、将来有望なひとり。ちなみに、彼のマシンを走らせているファクトリーっていうのがフランスのサラザンレーシング。サラザンって名前にピンときた人もいるかも。そう、WECやフォーミュラEにも参戦するあのステファン・サラザンが率いるファクトリーなんです。サラザン自身もヒュンダイのi20R5でフランス選手権やWRCにスポットで参戦しています。ラリーにレースにビジネスにと大忙しですねえ。

こちらがレースにラリーにと大忙しなステファン・サラザンのi20R5。最近じゃ珍しいラリーとレースの両刀使い。

と、こんな感じでかなりかいつまんでお話ししてみましたが、まだ他にもR-GTクラスのお話しなんかもしたいんですけど、モンテカルロにはアバルト124しか参戦してないし、台数も少なくてちょっとアレなので、ケイマンGT4の話しもあるし、またいずれご紹介します!

100台ちょっとが参戦するWRCですが、下位ゼッケンはこんな感じでのんびりした感じ。とは言え、走ってる方は一生懸命なんですけどね。

ゼロカーは新型メガーヌRS。ドライバーはブルーノ・サビー!もうすっかりおじいちゃんでしたが、年齢を感じさせない走りっぷりでした。

全ステージを走り終え、モナコのヨットハーバーに設置されたパルクフェルメに集まる競技車。この光景を見るたびに、モータースポーツって貴族の遊びなんだよなぁ、ってことを実感させられます。

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