三重県内の農家で実証実験をスタート

3月26日、トヨタは農地での土壌成分調査をリアルタイムに可視化。そのデータを活用した土壌診断と改良提案を行なう支援サービスの事業実証を開始した。

このサービスは、農地内の土壌成分のバラツキを迅速に把握。ムダなく堆肥などの土壌改良剤を投入して的確な土づくりを行うことで、作物の生産性向上や環境負荷低減への貢献を目指すもの。事業実証は、機械・肥料などの農業資材に関するノウハウや農業者との幅広いネットワークを持つ東海物産の協力を得て三重県内の農家で実証を進めていく。

トヨタは、環境や社会課題の解決に貢献することを目指し、自動車事業で培った生産管理手法や工程改善ノウハウを、従事者の高齢化や自給率低下などの課題を抱える農業分野に活用する取り組みを進めている。すでに2014年以降、「トヨタ生産方式」を応用したIoTソリューションサービスの「豊作計画」を通じ農業作業の効率化などを進めている。

また、データに基づいた栽培管理を行なうスマート農業技術に着目。’17年8月から東京農工大学・澁澤栄教授と共同で「リアルタイム土壌センシング」技術に関する研究・開発に着手し、’18年11月にかけて愛知県新城市の水田で同技術の有効性を検証してきた。今回は、この技術を軸とした支援サービスの事業成立性を検証するもので’19年12月まで実施される予定だ。

トヨタは、今後も他地域の農業関連事業者との連携拡大を視野に入れつつ新たな農業支援事業を通じた農業・環境分野での課題解決にも取り組むとしている。