2020年末までに市販型が発表される予定
アウディは、3月5日に開幕したジュネーブ・モーターショー2019でコンパクトな4ドアSUVのスタイルをもつ電気自動車のコンセプト、「Q4 e-tronコンセプト」を初披露した。
ボディサイズは全長4.59×全幅1.90×全高1.61mで、ホイールベースは2.77m。フォルクスワーゲン・グループが次世代の電気自動車に採用するモジュラー・エレクトリフィケーション・プラットフォームの「MEB」をベースに、2基のモーターと82kWhのバッテリーを搭載。フルタイム4WDシステムの「クワトロ」を介して4輪を駆動する。
モーターは前後アクスルに配置。フロントは75kW(約101ps)/150Nm、リヤは150kW(約201ps)/310Nmを発揮。システム出力は225kW(約302ps)に達する。通常はおもにリヤに搭載された永久磁石モーターを使用するが、リヤのモーターが供給可能なパワーよりも多くの駆動力をドライバーが要求した場合、この電動4輪駆動システムは、必要に応じてフロントの非同期モーターにトルクを配分する。これは、滑りやすい路面や高速コーナリング中にスリップが発生する前、あるは車両がアンダーステアまたはオーバーステア状態になる前にも予測的に行なわれる。
これらにより、0-100km/h加速を6.3秒でこなす加速性能を実現。最高速は180km/hでリミッターが作動する。その一方、WLTPサイクルで450kmの航続距離を可能にしている。バッテリーは125kwで充電することができ、その場合は80%まで30分以下で充電が完了するという。
ヘッドライトにマトリクスLEDを、リヤコンビランプには左右を接続するライトバンドを採用したエクステリアは、ルーフラインが後方に向かってわずかに傾斜しているほか、4つのホイールを強調する造形が施されたワイドなフェンダーなど、ダイナミックなアピアランスが特徴。
ボディカラーはこのコンセプトモデル専用に開発された「ソーラースカイ」。光のあたる角度によって色合いが変化するユニークなものだが、太陽光の紫外線を効果的に反射し、ボディの表面および車内の熱の蓄積を大幅に減少させることで、乗員の快適性が向上するだけでなく室内を冷房するために必要なエネルギーも削減することができるという。
2.77mのホイールベース、そしてトランスミッショントンネルを持たないことにより、室内スペースは外観から想像するよりはるかに広さを感じさせるという。この感覚は、室内の配色によってさらに強調されている。室内の上部は、暖色系の明るい色を基調にする一方で、フロアには暗色系のカーペットが採用され、見事なコントラストを醸し出している。ヘッドライニング、ウインドーピラー、ドアレールとダッシュパネルの上部には、白とベージュのマイクロファイバーテキスタイルが採用された。
すでに市販モデルにも採用されているバーチャルコックピットはもちろん、このコンセプトではさらに拡張機能を備えた大型ヘッドアップディスプレイを搭載。ターンインジケーターといった重要なグラフィック情報を、車両前方の道路上に浮かんでいるように投影することができる。センターパネルには12.3インチのタッチスクリーンを組み合わせるインフォテイメントシステムを配置する。
このQ4 e-tronコンセプトの市販型は、2020年末までには発表される見通し。すでに発表済みで早い市場では2019年3月末ごろから納車の始まる「アウディe-tron」、そして今年後半には発表される「アウディe-tronスポーツバック」や中国市場専用に設計された「アウディQ2L e-tron」に続き、2020年の下半期に市販型が発表される「アウディe-tron GT」と同時にデビューを飾る5番目のアウディEVになる。