動力性能とユーティリティには大満足
一方、前述の通りリーフe+のもうひとつの目玉は出力&トルクアップ。これは存分に体感できるレベルで、停止状態からの加速はかなり強烈。高速道路での追い越し加速も力強さが増しており、高速クルージングもすこぶる快適。しかし調子に乗ってアクセルを踏んでいると、航続距離がみるみるうちに減っていくのでこのあたりがややもどかしい。
また、板にストックにブーツにウェアなどなど、スキーはやたらと荷物が多いもの。そんなときでもリーフ(e+)は435L の荷室容量があるおかげで(縦方向に深い)、2人分の用具&荷物くらいなら余裕で積載できた。
前方の車両を追尾しながら走行してくれる日産のプロパイロットはとっても便利。帰りの渋滞でも威力を発揮してくれた。
今回は目的地のグランデコスノーリゾート近くに行くまでほとんど道路に雪がなく、雪上性能はそれほど試すことはできなかったが、それでも圧雪路面の走行時の安定性、というか安心感は前輪駆動車ながら高レベル。ステアリングからの手応えもしっかりしており、雪面の状態も掴みやすい。スリップしそうになってもVDC(ESC)が介入し、車両を安定方向に導いてくれるからそれほど気を使うことなくスノードライブができた。
このあたりはウインタースポーツに出かける際には重要な要素のひとつなので、リーフe+は十分合格点を与えていいだろう。ちなみに装着されていたスタッドレスタイヤはブリヂストンのブリザックVRXだ。
この日はコテージに宿泊したが、残念ながらここには充電設備はなし。グランデコからの帰路の途中に充電したものの、20kWの設備だったため航続可能距離はさほど伸びず、120km程度に留まった。
翌日、スキーをした後の帰路には航続可能距離が100km以下に。そこから計算すると次の充電は東北道安積PAあたりが適当な場所と判断、こちらは50kWの急速充電器が備わっており、30分の充電で200km近くまで航続可能距離を伸ばすことができた。
電気自動車は、一般的に高速走行時、速度を上げれば上げるほど電費が悪化する。途中制限速度の100kmでトリップメーターと航続可能距離の減りをにらめっこしながら走行してみたが(なるべく平坦な箇所で)、この速度だと実際の走行距離に対して航続可能距離の減りがやや早い。つまり航続可能距離までたどり着けないことがわかった。
結果、帰路も再び上河内SAの急速充電器で30分充電、さらに翌日の車両返却も考慮するとやや不安があったため、都内に入ってから日産ディーラーの急速充電器でも充電し、帰宅することとなった。
今回は残念ながら横浜~都内~裏磐梯まで無充電での走行はかなわなかったが、目的地(リゾート設備や宿泊場所)に充電設備があれば帰路はもっと楽だったと思われる。一方で、30分の急速充電時間も休憩するには丁度いい。現在はアプリで充電設備の満空状況が見られるので、パーキングに入ったはいいが先客がいて待たされるということも少なくなっている。いずれにしてもあくせくせずゆったりとしたドライブができたのは意外な発見だった。このように、EVでの遠出にはいまだにこのような多少の不便はあるものの、リーフe+の優れた動力性能は魅力的。これで急速充電器の出力がもっと大きければ(つまりインフラが改善されれば)これほど不便を感じなくなるのでは? とも思えるドライブであった。