美しい国を、愛しいクルマで
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FILE.19 宮崎県 日南フェニックスロード 編
全国のヤナセから試乗車を借り、ドライブに出かける本企画。今回は、ひと足早い春を求めて宮崎県を訪れた。メインルートには日南海岸沿いを走る、日南フェニックスロードを選び、観光スポットに立ち寄りながらのんびりドライブ。メルセデスの魅力を再確認した、走りごたえのある旅となった。
九州地方最南端にあるヤナセ 鹿児島支店からクルマをお借りして、九州自動車道、東九 州自動車道で宮崎方面を目指す。末吉財部 ICで降りて国道10号を通り都城へアクセス。 宮崎自動車道で宮崎市へ入り、国道220号、 448号、宮崎県道36号から成る全長約85kmの日南フェニックスロードを南下して、都井岬を目指した。
豊富な見所が待っている宮崎のロングドライブ
「日本のひなた宮崎県」。そんなキャッチフレーズがあるとは知らなかったが、降り注ぐ陽の光は大寒に訪れたことを忘れさせてくれ、店先に並ぶ地元の食材はとても豊か。ひと足早く春と出会える宮崎をメルセデス・ベンツで旅をした。
道沿いに立ち並ぶフェニックスやワシントンヤシ、色彩豊かな植物が南国気分を盛り上げる。
今回のルートは、鹿児島方面から都城(みやこのじょう)を経由して宮崎市へ。そこから日南フェニックスロードを南下して都井岬を目指すドライブコースだ。
相棒として選んだのは、ディーゼルユニットを積むEクラスステーションワゴンだが、このチョイスが大正解。ロングドライブでは、偶然に走りごたえのある道と出会えることがある。例えば、都城を散策中に走った国道222号は思いのほか気持ちのいいワインディングロードであった。そうとなれば、自ずとステアリングとペダルの操作は積極的になってくるが、なにせ大人2人+撮影機材と旅行鞄を積み込んだ車両は、決して身軽とはいえない。しかし、豊かなトルクが前へ前へと押し進め、軽快なフットワークで駆けぬけていく。さらにそれをドライビングプレジャーへと昇華させてしまうのは恐れ入る。いかなる状況でも、パッセンジャーに応えてこそ、真のプレミアムブランドなのだ。
日南フェニックスロードは、宮崎市街から都井岬に至る道の愛称で、カナリーヤシ(=フェニックス)などのヤシ科の樹木やハイビスカスが咲く南国ムード溢れる道。ひと足早い春どころか夏をも感じさせる風情は、気分を高揚させてくれるが、なにもトロピカルラインばかりではなく、ワインディングロードや開放的なシーサイドラインも現れ、変化に富んだドライブが楽しめる。また、波の侵食と隆起によって生まれた隆起海食台、通称「鬼の洗濯板」が広がる青島やサンメッセ日南のモアイ像など、ロードサイドは見所が豊富。観光メインの旅もきっと満足できるはずだ。
海岸線には、青島で有名な隆起海食台(鬼の洗濯板)を望めるセクションがところどころにあり、壮大な景色が楽しめる。
宮崎市内からクルマで約1時間のところにあるサンメッセ日南のモアイ像。世界で唯一、イースター島の長老会に許可を得て復刻された。
日南市の油津港付近まで南下すれば国道222号と交差。この道を6kmほど都城方面へ走れば、九州の小京都と称される飫肥(おび)にアクセスできる。武家屋敷を改装したカフェや、城下町の名残ともいえる鍛冶屋をルーツに持つ刃物店などもあるので、歩いて巡るのがオススメ。小さな発見や出会いが待っているはずだ。
武家屋敷が整然と区画され、当時の城下町の様子が色濃く残る飫肥の古い町並み。
ドライブの終着地、都井岬についたのは夕方。野生馬が生息するエリアで、必要以上に人間やクルマを警戒することなく、好きな所で草を食べている。運がよければ、暁色に染まる海をバックに愛車と野生馬の2ショット……そんな、夢のようなカットも狙えるかもしれない。
都井岬に生息する日本在来馬の一種、御崎馬(みさきうま)。さほど人間を警戒しないけれど、近づき過ぎはキケン!