エアバスと共同でヘリを使ったサービスの試験運用も開始

11月27日、アウディとエアバス、イタルデザインの3社は、アムステルダムで開催されているドローンウィークで空飛ぶ自動車「Pop.Up Next（ポップアップ・ネクスト）」のプロトタイプを初公開した。フライングタクシー（空飛ぶタクシー）用の革新的なコンセプトは、自動運転機能を備えた電気自動車とパッセンジャー（乗員用）ドローンを組み合わせたものとなっている。

初の公開テストでは、パッセンジャーカプセルを搭載したフライトモジュールが地上に置かれたグラウンド（地上）モジュール上に正確に着地。パッセンジャーカプセルをグラウンドモジュールに連結して、自動運転によってテスト会場から走り去った。

ちなみに今回公開されたプロトタイプは1/4スケールモデルではあったものの、早ければ10年以内には大都市において道路と空中を利用した便利で効率的なフライングタクシーサービスを利用できる可能性を示している。乗員は乗り換えをすることなくレジャーを楽しんだり、車内でリラックスしたり、仕事をすることもできるわけだ。

このようなオンデマンドサービスがどのようなものかを確認するため、アウディはエアバスの子会社であるブーム（Voom）と協力して南米で試験運用を実施。顧客がメキシコシティまたはサンパウロでヘリコプター便を予約すると、アウディが着陸地点から、あるいは着陸地点までの移動手段を手配する。

アウディAG調達およびIT担当取締役、兼イタルデザイン社長のDr.ベルント・マルテンスは以下のようにコメントしている。

「フライングタクシーは、実用化に向けて準備を進めています。私たちはそれを実現できると確信しています。現在、ますます多くの人々が都市に移住しています。自動運転が実用化すれば、さらに多くの人々がクルマで移動するようになるでしょう。将来的には、高齢者、お子様や運転免許のない人々が、便利なロボットタクシーを利用したいと思うでしょう。道路と空中をスマートに行き来できるようになると、人々だけでなく都市も恩恵を受けることになります」

さらに南米での試験運用に関しては

「このようなサービスは、お客様のニーズをより良く理解するのに役立ちます。将来的にフライングタクシーは、数多くの都市生活者にとって魅力的な移動手段となるでしょう。アウディはポップアップ・ネクストによって技術的に何ができるのかを模索しています。次のステップは、実物大のプロトタイプを飛行及び走行させることです」

さらに、アウディは、インゴルシュタットにおいて、アーバンエアモビリティ・フライングタクシー・プロジェクトと呼ばれるイニシアチブを支援。アウディの本拠地において、フライングタクシーの試験運用を行なう準備を整えている。

このプロジェクトは、欧州連合が推進するスマートシティおよびコミュニティ政策においてヨーロピアンイノベーションパートナーシップと呼ばれるイニシアチブを市場へと導入する取り組みの一環として行なわれているもの。

その目的は、新しいテクノロジーの利点を一般の人に理解してもらいバッテリー技術、規制、認証、インフラに関する疑問に答えることだという。