403km/hのトップスピードはマクラーレン市販車最速
10月26日、マクラーレン・オートモーティブは同社初のハイパーGT「スピードテイル」を英国で発表した。
同社のマイク・フルーウィットCEOは、このモデルを次のように紹介している。
「マクラーレンが、スピードテイルのようなクルマを作ったことは、これまでありませんでした。当社初のハイパーGTであるスピードテイルは、アートとサイエンスが融合された究極のロードカーです。驚異的な最高速度、アイコニックなセントラル・ドライバーズ・シート、ならびに画期的なビスポークのパーソナリゼーションが組み合わされています。かつて世界最高速度を樹立した、なめらかなフォームを持つ『ストリームライナー』を連想させる、軽量のカーボンファイバー製ボディに、革新的なハイブリッドパワートレインが配置されています。さらに、ラグジャリーな3シーターのコックピットは、これまでのどのロードカーでも味わうことができなかった素晴らしいドライビングエクスペリエンス、比類なき個性、革新的な素材が一体となった感動をお届けします」
ボディは全長5137mmで、ティアドロップ型の形状。これは最高速度を追求する目標に基づいた設計で、各部はエアロドラッグを抑えられたなめらかなフォルムが特徴だ。全高は1120mmにとどまる。ボディパネルおよびモノコック「マクラーレン・モノケージ」はカーボンファイバー製とすることで、軽量化が追求。乾燥重量は1430kgと発表された。
フロントホイール(20インチ)のカーボンファイバー製スタティック・エアロカバーや、サイドミラーに代わる格納式のデジタル・リアビューカメラ、エアロドラッグを極限まで低減するのに役立つ特許技術であるアクティブ・リア・エルロン(ボディ後端の可変式補助翼)など、革新的な技術が惜しみなく導入されている。
搭載されるハイブリッドパワートレインはトータルで1050psを発揮。403km/hの最高速や、12.8秒の0-300km/h加速タイムを実現している。最高速に到達させるための「ヴェロシティ・モード」では、パワートレインとアクティブ・エアロダイナミクスが最適化され、車高が35mm低下する。
キャビンはかつてのマクラーレンF1を彷彿される1+2の3名乗りで、エクステリアのフォルムと呼応するようにティアドロップ型のコックピットとなる。ドライバーズシートはラグジャリーなコクピットの中央に位置し、そのやや後方にふたつのパッセンジャーシートが配置されている。ノーズとテールの両方にラゲッジスペースが用意され、ビスポークのラゲッジケースは、すべてのオーナーに提供される。
発表時に披露された個体は、このモデル専用に開発したモルトン・エフェクト・ペイントを施したナノメタリックカラー「スピードテイル・シルバー」にボディが塗装され、内装には自然な表面を維持するために染色されたアニリン・レザーと、新軽量レザーの2種類のレザーを使用していたが、同社のビスポーク部門である「MSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)」を通じて、豊富なパーソナライゼーシション・オプションが用意されているという。
スピードテイルの生産台数は世界限定106台で、すでに全車売約済み。ちなみに価格は175万ポンド(約2億5200万円)から。