「ダラーラ・ストラダーレ」にボッシュのテクノロジーを採用
ダラーラ・ストラダーレ。昨年11月に発表されたこのモデルは、世界屈指のレーシングカーコンストラクターであるイタリアのダラーラ社が手がけた初のロードゴーイングカーである。
ダラーラ社の創設者はジャンパオロ・ダラーラ。1936年生まれの彼は1972年にダラーラ社を設立する前、フェラーリでレーシングカーの開発に携わったほか、ランボルギーニではミウラ、デ・トマソではパンテーラといったロードカーの企画にも参加し、その手腕を発揮してきた。現在は、フォーミュラマシンはもとよりインディカーやスーパーフォーミュラといったレーシングマシンの開発を広く手がけている。
そんなダラーラ社渾身の作がこのダラーラ・ストラダーレなのだが、このモデルにはドイツのメジャーサプライヤー「ボッシュ」のテクノロジーが活かされている。
カーボンモノコックとアルミ製サブフレームを採用しているダラーラ・ストラダーレは、全長4185×全幅1875×全高1041mmのボディに、400ps/500Nmを引き出す2.3リッター直列4気筒ツインターボエンジン(ベースはフォード製でダラーラが専用に開発)をミッドシップマウントし、6速MTまたはパドルシフト付きロボタイズドMTを介して後輪を駆動。車両重量はわずか855kgで、3.25秒の0-100km/h加速と280km/hの最高速を実現するオープンスポーツだ。ボディスタイルは、フロントウインドーを持たない「バルケッタ」のほか、フロントウインドーを装着する「ロードスター」や、いわゆるTバールーフを装着した「タルガトップクーペ」、そして「フルキャノピー」スタイルと、4タイプから選ぶことができるようになっている。
ダラーラ社はこのモデルを開発する際、ボッシュに協力を要請。エンジン制御技術に加えて、車両安定システム「ボッシュESP 9.1」を採用した。このESPは、レーシングトラックなどのタフな走行条件でも、ドライバーに優れたコントロール性を提供するためのもので、特別なセンサーシステムを装備。2Gを超える横方向の加速度にも対応し、非常にダイナミックな性能を発揮する。ESPの介入タイミングは絶妙に調整されており、安全性や安定性を損なうことなく、高次元のパフォーマンスが楽しめるようになっている。
ボッシュはこのモデルの開発において、テストベンチ測定やテストドライブ、総合的な車両開発に至るまで、包括的なコンサルティングサービスを提供。ボッシュの協力なくしては、このユニークなロードゴーイングモデルは生まれなかったといっても過言ではないだろう。
ちなみに、ダラーラ・ストラダーレは今後正式に発売される見通しだが、予定販売価格は16万ユーロ(約2000万円)とのこと。