美しい国を、愛しいクルマで
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FILE.17 福岡県 平尾台道路 編
全国のヤナセから試乗車を借り、ドライブに出かける本企画。今回は福岡ならではの海と山を満喫できるドライブスポットをご紹介。この号がお手元に届く頃には、糸島の真牡蠣は旬を迎え、国内屈指のカルスト台地、平尾台にはススキが生い茂り、趣が一層増した初冬のドライブを楽しめるはずだ。
西の糸島、東の平尾台と福岡の海と山を楽しむドライブコースを設定。福岡前原道路、福岡県道571号から県道54号のシーサイドラインを走る海編。九州自動車道、国道322号からメインロードとなる平尾台道路(県道28号)を走る山編。なお、県道28 号は、直方市山間部と小倉南区の菅生寺奥之院の間にそびえる尺岳は未開通区間となる。
自然と都会が調和する福岡の魅力を再発見
九州の経済や交通の軸であり、近隣アジア諸国への玄関口も果たす福岡県。その中心となる福岡市には、国内外から多くの観 光客が訪れ、2011年から年間観光客数は増加し続けている。言わずと知れたグルメなどにスポットライトが当たりがちだが、美しい景勝地や豊かな自然もまた福岡の魅力。今回は、海から山へとクルマを走らせ、旬の味覚や美しい景色と出会える福岡のショートトリップに繰り出した。
海岸から150m先の海中には高さ11.8mの男岩、高さ11.2mの女岩からなる「夫婦岩」がそびえ、その手前に白い鳥居が立つ。桜井二見ヶ浦は、糸島では最もメジャーな観光スポットで、「日本の渚100選「」日本の夕日100選」にも選出されている。
まずは、「海」を目指して福岡前原道路で糸島へ。相棒としてヤナセ 福岡支店からお借りしたのはCLS 450 4MATICスポーツ。 48Vの電装システムにオルタネーターとスターターを兼ねた新技術「ISG」を携えた3.0L直6の吹け上がりは実にジェントル。新しいエクステリアデザインとも相まって、GTカーとしての特色も増している。
糸島のシーサイドラインには、野北海水浴場から桜井二見ヶ浦の間に飲食店や雑貨店などが集中している。
福岡市内中心部を走りだしてから40分ほどで、糸島半島の西側付け根にある加布里漁港に到着。ここからすぐの福岡県道54号は、半島をほぼ一周できるシーサイドラインで、通称サンセットロードとも呼ばれている。訪れたのは初秋の午前中ではあったが、コーナーを走り抜けては現れる、白い砂浜とエメラルドブルーの海は美しく、爽快なドライブが楽しめた。
仲良く並ぶ夫婦岩にあやかって縁結びや夫婦円満を祈願するパワースポットとしても人気。
また近年ブランド化されている糸島野菜や、この地域が日本一の水揚げ量を誇る天然真鯛を使った料理をいただける店も多く、 糸島でのランチタイムもお楽しみのひとつとなるはずだ。
玄界灘で捕れる海の幸と地元で収穫された福岡ブランドの野菜を使った天ぷら。
そして何と言っても10月中旬から4月まで、糸島は真牡蠣が旬を迎える。この旅の模様が掲載される頃は、大ぶりでクリーミーな真牡蠣を漁港に点在する牡蠣小屋で味わえるので、是非ともご賞味いただきたい。
吉井の町は、江戸時代の幕末前後に3度の大火に襲われたことから、明治以降になると家屋の多くは防火性の高い白壁土蔵造りに建て替えられた。
福岡県の南に位置する朝倉市の三連水車やうきは市の浮羽稲荷、吉井の古い街並みをのんびりと気ままに散策した後、九州自動車道小倉南ICから国道322号を経て、平尾台へアクセス。
この平尾台は、水の浸食により白い石灰岩が露わになったカルスト台地で、ここを走る平尾台道路が「山」のメインステージ。 気持ちのいいコーナーも多いが、高低差から生まれるダイナミックな視界の展開が特徴で、千仏鍾乳洞へと続く脇道の眺望が最大のハイライト。360度カルスト台地を見渡すことができ、日中訪れて運が良ければ、太陽の光が岩に反射する珍しい景色を拝むことができる。
平尾台は日本三大カルストのひとつに数えられる。春の野焼き、秋のススキなど季節ごとの見所も。夏の7月と冬の2月には花火大会も行なわれる。
窓を全開にして山肌のドライブを楽しむのもいいが、ハイキングや千仏鍾乳洞の散策もオススメ。海も山もショートドライブで アクセスでき、自然の恵みに触れることができる̶̶これこそ福岡最大の魅力なのだろう。
うきは市の城ヶ鼻公園内にある浮羽稲荷。91基の赤い鳥居が並びフォトジェニック。