ボルボのアメリカ新工場の完成で世界3大消費地に大規模工場を展開

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新型S60の生産を担当

以前からボルホがアナウンスしてきたアメリカ工場が完成。いよいよボルボのアメリカ進出が本格的にスタートする。アメリカ新工場は東海岸南部のサウスカロライナ州チャールストンに位置し、敷地は1600エーカー(約648万平方メートル)と広大で、工場建屋も69万平方メートルの規模を持つ。2015年の着工から約3年で完成し、本格稼働は今年秋を予定しているが、まずは新型ボルボS60の生産を手がけることになる。

すべてのモデルの電動化およびディーゼルからの脱却を掲げるボルボの方針に沿って、ここで生産されるS60は、ガソリン車およびハイブリッド車に限られ、年産最大15万台の能力を生かして米国向けモデルに加え、輸出向けモデルの生産も予定している。多くの雇用を生み出す点もボルボは強調しており、今年末までに1500人の従業員を採用し、今後数年間で4000人を採用するとしている。この規模の事業計画ならトランプ政権も大歓迎だろう。

アメリカ市場におけるボルボの販売台数はまだ少なく、今年1~6月の上半期だけで4万7623台とシェアは1%にも届いていない。それでも前年同期比では40%増と伸び率は大きく、その多くをSUVであるXC90、XC60が占めている。そんな状況で秋にはS60の生産が開始されるわけだが、果たしてボルボのセダン比率がどこまで高まるのか興味深い。

アメリカでは大排気量エンジンを搭載するSUVやピックアップトラックの人気が依然として高く、逆に乗用車の需要はマイナスが続いている。ボルボもSUVを主力としながらも、現地生産の開始とともにプレミアムセダンの需要を掘り起こしていく構えだが、次世代を見据えた電動化がどこまで受け入れられるのか、まだハードルが高いのが現状だ。

ボルボはこれで欧州、中国に続いてアメリカと、世界の3大消費地に工場を構えたことになり、世界戦略を着々と進めている。日本でも存在感が増しているボルボが、ドイツのプレミアムブランドの対抗勢力として、世界市場ではどう伸びていくのか。そのカギを握るであろうアメリカ新工場の動きに注目したい。

LE VOLANT 2018年9月号 Gakken Plus

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