毎年、筑波サーキットを舞台に開催されている「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」。その前哨戦として一昨年からスタートし、今年で3回目を迎えるのが「メディア対抗 タミヤRCロードスター1時間耐久レース」だ。
その名の通り、タミヤ製の1/10スケール電動RCカー・マツダロードスターを使った1時間の耐久レースで、クルマのサイズこそ小さいものの、給油ならぬ走行用バッテリーの交換とドライバー交代をしながら順位を競うスタイルは実車のレースのそのまま。
ル・ボランチームは一昨年、昨年とこのレースを二連覇しており、デフェンディングチャンピオンとして三連覇=総合優勝を目指す!
決戦の地は横浜! 最強の布陣で1時間のレースに挑む!
レースの舞台は昨年同様「マツダ R&D センター横浜プレゼルーム」に設営された、筑波サーキット風の特設コース。今回からはドライバー用の操縦台がホームストレート側へと移動し、ピットとのコミニュケーションもとりやすくなった。
チーム編成は、本戦の4時間耐久も走るCARSMEET web編集長ハギワラを中心に、ル・ボラン別冊である『タミヤRCパーフェクトガイド』のスタッフであるイサワ、エバティ、オーサカを加えた、昨年同様の最強(?)の布陣! さらに今年からの新ルールとしてドライバーの人数が多くなるほどボーナス周回数がプラスされるため、新メンバー・イヅツを加えた計5人で戦いに挑む!
ちなみに女性ドライバーが加わるとさらにボーナス周回がプラスされるため、身近にいる女性に片っ端から声を掛けるも全てNG(泣)。華のある他のチームを横目に、オジサンばかりというなんともむさ苦しい顔ぶれである……。
レースにはマツダから貸与されたタミヤ1/10電動RCカー「マツダ ロードスター」(M-05シャーシ)を使用。受付ではマツダスタッフによる車検とニュータイヤへの交換、計測用発信機の取り付けなどが行われ、イコールコンデション化を徹底するためにモーターも交換された。
参加チームは、ル・ボランを筆頭に、最強のライバルであるCAR GRAPHIC、カーセンサー、ベストカー、CARトップなど、本戦の4時間耐久に参加する面々に加え、特別参加であるタミヤチームや主催者チームを加えた全20チーム。
ル・ボランは3部構成のうちの第2ヒート出走で、同ヒートには、driver、ahead、Itmedia/MONOist、ロードスター陣立て、タミヤの6チームがエントリー。レース前にはボディの美しさを競う「コンクールデレガンス」も行われ、driverチームがボーナス周回数プラス10周をゲットした。
練習走行後のくじ引きで5番グリッドからのスタートとなったル・ボランチーム。各チームがエースを投入するスタートドライバーはイサワが担当することに。
いよいよレーススタート! 1時間後に笑うチームはどこだ?!
そして迎えた午後1時。グリッドに6台のロードスターが並び、わずかな静寂の後に鳴り響くレーススタートを告げるブザー! 1時間の熱い戦いの火蓋が、いよいよ切って落とされた!
スタートから飛び出したのはこのヒートの本命タミヤチーム! RCカーのプロドライバーで数々のタイトルを手にしてた前住選手が他を圧倒する走りでトップを独走する!
スタート時に加算された各チームのボーナス周回数は、タミヤとコンクールデレガンス獲得のdriverがそれぞれプラス50周、ロードスター陣立てがプラス30周、aheadがプラス10周。ル・ボランはプラス20周のため、すでにトップから30周差の4位と、序盤は苦しい戦いが続く!
持ち前のスピードでなんとかポジションを上げていくものの、トップを走るタミヤからジリジリと離される展開。その差が33〜34周となったところで10分経過のアナウンスがあり、全車が一斉にピットに滑り込む!
これも今年から採用された新ルール。全車10分ごとのピットインが義務付けられており、その際にはバッテリー交換とドライバー交代を必ず行わなければならない。実車と同じように、ピットでの作業スピードがレースを大きく左右するわけだ。
レース前からバッテリー交換の練習を行なっていたル・ボランチームは、約15秒という早業でピット作業を終え、2番手ドライバーであるエバティが他車を尻目に真っ先にコースに復帰!
RCカーに不慣れなドライバーが多く、やや荒れ気味となったコース上をステディな走りでトラブルなく切り抜け、確実にラップを刻んでいくル・ボランチーム! 程なく2位までポジションをアップし、ドライバーチェンジでペースが落ちたトップ、タミヤチームを猛追する!
20分経過のピットインでハギワラ、30分経過でオーサカへとバトンタッチし、この2人の追い上げでル・ボランチームはついにトップに浮上! ハイペースな走りで今度は後続を一気に引き離しにかかる!
40分経過のピットインでは今回初参加のイヅツにドライバーチェンジ。初めてとは思えない落ち着いた走りでトップをキープし、アンカーであるイサワにバトンを繋げる!
ピットでは、過去のレースの経験を活かしてバッテリーの残量をテスターを使って管理。ガス欠ならぬバッテリーダウンによるストップなど不測の事態を未然に防ぐ。
感動のゴール! 果たして総合優勝の行方は?
独走状態でトップを快走するル・ボランチーム! 残り5分のところでバッテリーのコードが車体からはみ出すトラブルはあったものの、わずか5秒の素早いピット作業で回避し、勝利に向けてひた走る!
終わってみれば、ラストラップで2位に浮上したロードスター陣立てチームに40周以上の大差をつける337周でフィニッシュし第2ヒートを制したル・ボランチーム! この時点で総合順位でもトップとなり、三連覇は安泰かと思われたが……。
続く第3ヒートを制したライバルCAR GRAPHICチームが、ル・ボランの記録を2周上回る339周をマーク! ボーナス周回数でル・ボランに10周のアドバンテージがあるため、実質的には12周差……完敗である。
CAR GRAPHICチームおめでとう! 来年は負けないぞー!
残念ながら三連覇こそならなかったものの、チーム全員が団結して戦うという、ホンモノの耐久レースさながらの楽しさを存分に味わえた今回のイベント。
実車ではなかなかハードルの高いレースの世界に手軽に挑戦できるタミヤ製RCカーは、クルマ好きならハマること間違いなしだ!
本番である「第29回 メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」は、2018年9月1日(土)に開催! RCチームと同様、素晴らしい活躍が期待できる(?)ル・ボランチームを応援しに、ぜひ筑波サーキットまでお越しください!