ライバルはドイツプレミアム
2018年6月26日、新型クラウンが発売された。最新世代アーキテクチャー「TNGA」も熟成が進み、「世界基準をすべて超える」という意気込みで作り込んだチーフエンジニアの秋山 晃氏がターゲットにしたのは、メルセデス・ベンツEクラスとBMW 5シリーズというドイツプレミアム勢だ。
新型クラウンは、従来の「アスリート」「ロイヤル」「マジェスタ」というバリエーションを廃止し、「トヨタ・クラウン」に一本化。スポーティグレードの「RS」系以外に「B」「S」「G」を揃えるほか、標準仕様の最上級に「Gエグゼクティブ」を、RS仕様にはスポーティで充実装備の「RSアドバンス」を用意する。
ドイツ・ニュルブルクリンクで走りをチェックしたという新型クラウンは、鍵となるプラットフォームの完成度が予想を超える高さだったようで、「TNGA」によるパワートレインの低重心化、ボンネットフードやフェンダーのアルミ化といった軽量化技術が盛り込まれ、開発エンジニアよるとBMWのごとく前後重量配分の最適化にもこだわったという。そして、走りで意識したのは、ドライバーの目線がぶれないフラットライド。ステアリング剛性の最適化、アルミダイキャスト製のフロントサスタワーの採用、ウェルドボンド(構造用接着剤)の拡大使用など、ボディも念入りに高剛性化された。
外観では、同モデル初となる6ライトウインドーに加えて、ボディやサイドウインドーをかつてないほど絞り込んだ、クーペライクなフォルムも注目点だ。日本国内での取り回しに配慮した1800mmという全幅を維持しながら、引き締まったボディラインに加えて、タイヤの張り出しを強調したワイド&ローなスタイリングを実現している。
インテリアの見どころは、上側(奥側)に8インチディスプレイ、下側(手前)に7インチのディスプレイを配したダブルディスプレイ。2画面化によってダッシュボードの高さを抑え、開放感の演出と前方視界の確保に貢献している。そのほか、初代「コネクティッドカー」を標榜する充実のコネクティッド環境や、第2世代「トヨタ・セーフティ・センス」の全車標準装備など、全方位的にパフォーマンスを引き上げた新型クラウン。個人的には「ゼロクラウン」以来の大変革に映るが、狙いどおり若いユーザーを獲得できるのか、大いに注目したい。
車両本体価格は2リッターターボ仕様が4,606,200から5,594,400円まで、2.5リッター+ハイブリッド仕様の2WDが4,978,800から5,799,600円で、同4WD仕様が5,194,800から6,323,400円。3.5リッター+マルチステージハイブリッド仕様は6,237,000から7,187,400円となる。
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