【嶋田智之のル・マンへの道! ……クルマで向かうだけなんだけど】Part.08

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 自動車専門誌ル・ボランと当サイトで好評連載中の【月刊イタフラ】番外編。日本時間の6月13日夜にロンドン郊外に降り立ったモータージャーナリストの嶋田智之氏が、スマホだけでリポートする、グランドツーリング紀行は、ル・マン24時間レース決勝を観戦!

ヴァンテージAMR苦戦中

   今年のアストン・マーティン・レーシングは、厳しい戦いを強いられている。レースがスタートして11時間が経過して、LM-GTE Proクラスを走る新型ヴァンテージAMRは同じクラスのトップを走るポルシェ911RSRから2周遅れの10位と5周遅れの14位。ベストラップでは最も速いポルシェより2~3秒遅れ。一度としてトップ争いには喰らい込めていない。

  まぁヴァンテージAMRは実戦デビューしてから日が浅い新しいマシンだから、クルマを速く仕立て上げることができてないということもあるだろう。それは不思議なことでも何でもない。そしてもうひとつの要素として、去年のル・マンでクラス優勝していることもあって、BoP(Balance of Performance=簡単にいうなら性能調整)の締め付けがキツイというのも大きい。だから去年のレースの最期の最後に死闘を繰り広げた好敵手シボレー・コルヴェットも、今年は速さを削がれている。まぁ……仕方ないっちゃ仕方ないのだけどね。

  そういう状況だから、アストン・マーティン・レーシングのマシン達は、はたから見てるとひたすら淡々と可能な限りのラップを刻んでいるかのようで、ドラマティックな展開らしい展開を見せてない。まぁ……仕方ないっちゃ仕方ない。それもレース、だからね。

  でもレースは終わってみるまで結果は判らない。特に24時間レースはなおさら。それは去年のアストン・マーティン・レーシングが実証してる。果たして今年は……?

  苦しいだろうけど、今年もすでに何度となく目撃したアクシデントに巻き込まないように、これから先のレースのために有効なデータを得るためにも、つらくても歯を食いしばって最後まで走りきってほしいな、と思う。ル・マンでの展示車両を運んできた応援団のひとりとして。

   でも……iPhoneで撮ったイマイチな映像を見てもらっても何となく判るとおり、新型ヴァンテージAMR、コーナリングスピードは決して遅くないのだよね。黄色いヴァンテージが通過した後にコーナーに入っていくLM-P2のマシン2台と較べても、そう劣ってる感じがしないもん。LM-P2の最も遅いマシンと較べて、ベストラップで10秒も違うっていうのに。ヴァンテージAMR、見るからにストレートの伸びが全く足りてない感じ。とするとやっぱりBoPがキツイんだろなぁ……。

 

 

 

 

 

 

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