5月23日（水）から25日（金）まで、（神奈川県横浜市西区）パシフィコ横浜で開催された「人とくるまのテクノロジー展2018横浜」リポート第3弾はドイツのメガサプライヤー。

「CASE」を網羅

近年の自動車業界で使われている「CASE」というキーワードがある。「C（コネクティビティ）」「A（オートノマス:自動運転）」「S（シェアリング）」「E（エレクトリックモビリティ:電動化）」からの造語で、これらすべてを手がけるのがメガサプライヤーのBOSCH（ボッシュ）だ。安全、安心、便利、自動化、高効率、経済的といったキーワードを掲げ、持続可能なモビリティ社会に多彩な技術、製品で貢献する。

48Vの普及を後押しする小型バッテリー

欧州車を中心に急速に広がる48Vマイルドハイブリッド。BOSCHが展示していた48V Batteryは、全高90mmという薄型設計で、車載レイアウトの自由度を高められる。さらに、水冷ではなく自然空冷によるコンパクト設計で、車載性を向上させるだけでなく、コスト削減にも寄与する。さらに、自然空冷なので静粛性にも優れ、車載時のノイズレスを実現している。

車線や路肩に左右されない車線維持が可能な次世代カメラ

次世代 前方監視カメラとして出展されたのは、多目的カメラ（シングル）とステレオ（ビデオ）カメラ。両カメラともに、レーンキープアシスト（車線維持機能）作動時に、車線や路肩の状態に左右されないのが特徴だ。つまり、車線や路肩が消えていたり、積雪などで隠れていたりしても車線維持が可能になるという。

さらに、ステレオ（ビデオ）カメラは、環境に左右されないロバストな物体検知により、実際の状況における緊急ブレーキの性能、安全性が向上するほか、工事現場などでも走行支援ができるようになる。

自動運転中に万一何かあっても安心なステアリング

すでに他メーカーが市販化しているが、自動運転中（手動運転中も含む）に万一、ステアリングに故障などがあっても安心なパワーステアリング「フューエル・オペレーショナル対応EPS」は、電気系統に故障が起きてもパワーアシストが可能。電気系統を冗長化（2系統化）したもので、1系統が故障しても50％以上のアシストが維持され、サービス工場などまで自走できる。自動運転モードではない手動走行時の操舵感は同じで、ステアリングシステムの搭載スペースは、従来と同じというのも利点だ。

そのほか、高精度な自車位置推定技術やEuro6をクリアするディーゼルエンジンのダブルインジェクションなど多彩な技術を披露し、世界トップのメガサプライヤーとしての存在感を放っていた。