日本初のEV用バッテリー再製品化工場が始動

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使用済みリチウムイオンバッテリーの再使用、再製品化に特化

日産自動車と住友商事の合弁会社であるフォーアールエナジーは、EVの使用済みリチウムイオンバッテリーの再利用、および再製品化に特化した日本初の工場を福島県双葉郡浪江町に開所した。

地球温暖化等の環境課題を背景に、EVは急速に世界中で普及。日本では1998年よりEV購入時の補助金交付が実施されており、国内におけるEV販売は2010年頃に本格化している。また、補助金利用者のEV買い替えなどが見込まれる2018年を境に、EVに搭載されるリチウムイオンバッテリーの回収個数は大きく増加すると考えられている。加えて今後世界の自動車市場においてEVシフトが急速に進むことも見込まれるため、将来的なバッテリー材料市況の高騰などの経済的課題だけではなく、環境課題や社会課題の面からもEVリユースバッテリーの活用が注目されている。

フォーアールエナジーは、使用済み車載用リチウムイオンバッテリーの有効活用に着目。2010年に日産自動車と住友商事によって設立されて以来、再利用や再製品化のノウハウを蓄積してきた。また、フォーアールエナジーは使用済みバッテリーの性能を短時間で測定できる技術開発に成功。その技術を活用することで、全国から回収した使用済みバッテリーの再利用・再製品化ビジネスを本工場にて開始することになった。

この工場は、福島県浪江町の藤橋産業団地内に整備。グローバルな開発拠点としての機能と製造拠点としての機能を有し、国内初の再利用・再製品化拠点となる。製造される製品は、世界初のEV向け交換用再生電池をはじめ、大型蓄電システムや電動フォークリフトなどに使用される予定となっている。さらに、この工場は東日本大震災後に浪江町が整備している企業立地の第一号であり、地域経済再生や町の発展にも寄与していく。

日産自動車は、ゼロ・エミッション領域におけるリーダーとしてEVの開発、販売を行なうだけでなく、EVを普及させ持続可能なモビリティ社会を構築するために包括的な取り組みを実施。住友商事は、フォーアールエナジーと共同で定置型蓄電池システム向けなど、EVで使い終わった蓄電池の再利用・再製品化の取り組みを通じてEVの普及促進に貢献、地球環境との共生に寄与するとしている。

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