オロロンラインのシンボルとも言えるのが、洋上にぽっかりと浮かぶ利尻富士の姿。日本百名山のひとつで標高は1719m。
オロロンラインという名前
オロロンラインという名前は、オロロン鳥という海鳥にちなんだものだ。体長45cm、体重は1kgほど。学名ではウミガラスというが、国道沿いのあちこちに立っている巨大な像を見ても分かるとおり、その姿はカラスというよりペンギンに近い。実際、飛ぶことより泳ぐ方が得意な鳥で、主食は巧みに潜水して捕らえるイカや小魚。そして、「オルルーン、オルルーン」という鳴き声から、オロロン鳥と呼ばれるようになったという。
道路沿いで時折見かけるオロロン鳥の像。ご覧の通りペンギンのような姿をしている。
ただ残念なことに、この道を走っていればオロロン鳥と出会えるわけではない。天売島などにコロニーを作り、2万羽ものオロロン鳥が棲息していたのは戦前のこと。昭和30年代に入ってニシンが穫れなくなると急激に数を減らし、北海道沿岸ではほとんど見られなくなってしまっている。ニシンとともに姿を消した幻の鳥なのである。
こんな由来をもつオロロンラインは国道231号/232号、道道106号という3本の道をつなぎ、北海道の日本海側をひたすら北上していく。起点は一般的に石狩川の河口周辺、終点は稚内。左手に美しい海原、右手には緑の大地という景色が300km近くにわたって延々と続く。
オロロンラインは留萌の先で北緯44度、サロベツ原野で北緯45度のラインを越える。緯度1度は距離にすると111km。オロロンラインを走っていると、緯度1度ごとにこれとほぼ同じ数字が距離計にプラスされていく。
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