4月5日、アウディは次期型のA8に採用する新開発のボディ骨格を公表した。新世代版のASF(アウディ・スペース・フレーム)には、4種類の素材、すなわちアルミニウム、マグネシウム、スチール、そしてCFRP(炭素繊維強化ポリマー)が適材適所で用いられる。これにより、ねじれ剛性は従来型比で33%の向上を実現するという。
ねじれ剛性は33%向上
アウディA8は1994年に初代が誕生した。ASFコンセプトのもと、オールアルミ製のスペースフレームにアルミのボディパネルを組み合わせた軽量ボディによって、高い運動性能と省燃費を実現。このASFコンセプトは時代とともに進化を遂げ、現行の3代目まで継承されてきた。
4代目を数える次期A8の骨格に用いられる4種類の素材は、色分けされたイラストをご覧のとおり。3種類の加工方法が使われるアルミニウムは、全体の58%を占めることにより、従来型より28%軽く仕上げることが可能になった。
軽量でありながら高い強度を特徴とするCFRPはキャビン後部のパネルに使用。ボディのねじれ剛性向上に大きく貢献する。アルミより軽くて強度は高いが加工が難しいとされているマグネシウムは、フロントのストラットブレースに用いられた。
その一方、素材の加工や接合技術も向上しており、ボディの剛性を高めながらも後席ドアの開口部を36mm広げることに成功しているのも、特徴として挙げられる。
ちなみに、この次期A8に採用される新しいASFを開発するあたり、アウディはドイツ・ネッカーズルム工場敷地内に、新しいボディショップを特別に建設したというから、その意気込みの高さがうかがえる。