得たノウハウは市販車に生かされる

　9月2日、アウディは電気自動車によるレースシリーズの「フォーミュラE」に、2017/2018シーズンからワークス参戦することを発表した。それに先駆け、アウディは10月に香港で開幕する2016/2017シーズンから「ABT シェフラー アウディ スポーツ」への資金および技術支援を強化し、翌シーズンからワークスプログラムとして取り組んでいくとのことだ。

　アウディで技術開発部門担当取締役を務めるステファン・クニッシュ氏は、「電気自動車はアウディにとって重要な課題のひとつであり、2025年までに1/4のモデルを電気自動車にするつもりでいます。最初のモデルは2018年に、SUVで投入する予定です」とコメントし、アウディが電気自動車への取り組みを強化する姿勢であることを強調。また、アウディ モータースポーツ代表のウォルフガング・ウルリッヒ氏は、「アウディは一貫して、新技術開発の場としてモータースポーツを活用してきました。それは電気自動車でも変わりません。大都市内で開催されるフォーミュラEは、そうしたわれわれの姿勢に最適であり、ABT シェフラー アウディ スポーツは理想的なパートナーといえるでしょう」と述べている。

　2015/2016シーズンはルーカス・ディ・グラッシが惜しくも年間チャンピオンのタイトルを逃す2位で終えたABT シェフラー アウディ スポーツだが、アウディ本体の強力なサポートにより、大きな飛躍が期待できるかもしれない。2016/2017シーズンは2016年10月9日、香港での開幕戦でスタートする。ABT シェフラー アウディ スポーツの動向に注目しよう。