それはハイパフォーマンスの正統なる系譜
8月30日、アウディは同社の直列5気筒エンジンが40周年を迎えたことを発表した。アウディ初の直5エンジンは1976年の第2世代アウディ100で登場。2.1リッターから136ps(110kW)の最高出力と185Nmの最大トルクを発生した。現在ではアウディRS3スポーツバックやアウディTT RSに搭載されている2.5リッターTFSIが、その伝統を受け継いでいる。
1976年 アウディ100 GLS SE(C2世代/1979年モデル)
当時、アウディでは直6エンジンの開発も検討されていたそうだが、結果として設置スペースと重量配分から5気筒に決定されたとのことだ。
1978年 アウディ80 CD(B2世代/1982年モデル)
その優位から、1978年には安価なキャブレター仕様が、アウディ100よりもコンパクトなアウディ80にも採用され、こちらは1.9リッターの排気量から115ps(85kW)/154Nmを発生した。また、アウディは同時期にディーゼルエンジンにも5気筒を採用。最初の搭載車は1978年に投入されたアウディ200 5Tで、2.0リッター直5ディーゼルターボは70ps(51kW)の最高出力と172Nmの最大トルクを発生した。
1980年 アウディ200 5T(C2世代/1981年モデル)
直5エンジンに過給器を組み合わせたのは1980年。アウディ200 5Tに搭載された2.1リッター直5ガソリンターボの出力は、170ps(125kW)/265Nmへと目覚ましい進化を遂げている。
1983年 アウディ・クワトロA2(グループB)
以降、アウディの直5エンジンは、1980年のアウディ“Ur-クワトロ”、1983年のアウディ・クワトロA2 グループB、1987年のアウディ・スポーツ・クワトロS1など、レースカーにも展開していく。
1983年アウディ・スポーツ・クワトロ(B2世代/1984年モデル)
市販モデルでは、1983年に214台限定で発表されたアウディ・スポーツ・クワトロで200psの大台に到達。のちに4バルブ化され、220psにまで向上した。1984年には排気量を2.3リッター化した新エンジンが開発され、こちらは136ps(100kW)/188Nmを発生している。
1994年 アウディ・アバントRS2(B4世代)
アウディの5気筒といえばRSモデルを思い出す方も多いだろうが、RS用5気筒は1994年、アウディ・アバントRS2に搭載された315ps(232kW)/410Nmの2.2リッターが最初。また、現在に通じる2.5リッターの排気量を持つTFSIエンジンは2009年、340ps(250kW)/450Nmの出力値でアウディRS Q3に初採用されている。そして現在のハイエンドは、TT RS用の400ps(294kW)/480Nm。2026年に無事に50周年を迎えられたとしたら、どこまで進化しているのだろうか。
1978年 アウディ100 GL 5D(C2世代)
1980年 アウディ・クワトロ(B2世代/ジュネーブ・モーターショー)
1984年 アウディ・クーペ 2.3E(B3世代/1989年モデル)
1987年 アウディ・スポーツ・クワトロS1
1988年 アウディ200クワトロ 20V(C3世代/1990年モデル)
1989年 アウディ90クワトロIMSA GTO
1990年 アウディ100 TDI(C3世代)
1992年 アウディS2アバント(B4世代)
2009年 アウディTT RSロードスター
2011年 アウディRS3スポーツバック
2011年 アウディTT RSレース仕様
2015年 アウディRS3スポーツバック
2016年 アウディRS Q3パフォーマンス
2016年 アウディTT RSクーペ