日本の建築事務所ONデザインも参画
「“空間活用の創造”はMINIブランドの中核をなす原理であり続けています。そしていま、MINIはミラノで開催されるサローネ国際家具見本市2016に“MINI LIVING”インストレーションを出展し、都市における生活空間にもその原理が適用できることを実証したいと考えています」──ということで公開されたのが、IKEAの売り場を思わせるようなこのモデルルームだ。
壁面埋め込みの収納を縁取るビビッドなカラーのフレームや、整然と列をなすウッドパネルなどは、MINIのカタログやディーラーの中をご覧になったことがある人ならピンとくるモチーフのはず。部屋の床面積は30平方メートルとのことだが、浴室などの水回りの設備を含んでいないせいか、日本人の感覚からするととても“空間活用の創造”を模索しなければならないほどミニなリビングには思えないけれど、MINI愛好家に好まれそうな設えとは言えそうだ。
“空間活用の創造”っぽさを感じさせるのは、電子レンジや冷蔵庫、スピーカーといった家電を壁面埋め込みにしていたり、シェルフやキッチンが開閉式とされて隣室へのドアや窓になっているあたり。前者についてはクルマにおけるエアコンやオーディオの設置法を連想させるが、プライバシーとコミュニケーションを両立させる提案という後者は、強いて言えばトランクスルー式のリアシートくらいで、現在のクルマにはほかに該当するようなアプローチは見当たらないように思える。今後のMINIで何かこれに通じる提案がなされるのだとすれば、とても興味深いところだ。
それはともかく、あまりにもコストがかかりすぎてコンパクトBMWとドライブトレインを共用する道が開けなければ存続自体が危うかったMINIブランドが、こうした一見するとクルマとは関連性が薄そうな出展を行なえるほどに元気を取り戻しているのだから、嬉しい話題ではあるとは言えるかもしれない。
サローネ国際家具見本市2016は4月12日から17日まで、イタリアのミラノで開催。期間中、近くにお越しの方はMINIの活動を支援する意味でもぜひ足をお運びいただきたい。
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