【ジュネーブショー2016】後席にAndroidタブレット搭載! クラシックでハイテクな新型ベントレー・ミュルザンヌ

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ロングホイールベース版の追加もニュース

 2月23日、ベントレーは新型「ミュルザンヌ」を発表した。ニューモデルでは、これまでの標準車とパフォーマンスを高めた「スピード」に加え、新たにホイールベースを延長した「エクステンディッドホイールベース」が用意されている。3月のジュネーブ・モーターショーで初公開されたのち、今夏にもデリバリーが開始される予定だ。

 実質的にはマイナーチェンジにあたるようで、エンジンをはじめとする機関系に変更はなく、外観の変更もそれほど大胆には行なわれていない。一見してわかるのはフロントグリルのデザインとバンパー部のエアインテーク形状くらいだが、そのグリルは横方向に80mm拡大され、縦方向の桟を前面に、ベントレー伝統の格子をその奥に配置するという非常に凝った造りになっている。細部では、BENTLEYのネームプレートを収めたオールLEDのヘッドライト、「B」の文字をモチーフとしたフロントフェンダーのエアベントなどが新しいデザイン要素として挙げられる。

 追加されたエクステンディッドホイールベースは標準車に対してホイールベースが250mm延長されており、そのすべてが左右完全独立型とされた後部座席のレッグルームに充てられた。広大な後席の頭上には大型サンルーフが設えられているほか、左右と後方の窓にはプライバシー保護のための電動カーテンや、前席背面に格納できる折りたたみ式のテーブルも備えられている。後席エンタテインメントの中核として、10.2インチのAndroidタブレットが用意されたのも新機軸だ。通常は前席ヘッドレストの背後にマウントしておき、取り外しての使用も可能。車両側とはWi-Fiで接続し、車載器の4Gデータ通信を介してインターネットへも接続できる。

 最上級グレードらしく、6.75リッターのツインターボV8エンジンも「スピード」用がベースになっており、標準車の512ps(377kW)/1020Nmよりもスピードの537ps(395kW)/1100Nmに近い、530ps(395kW)/1100Nmを発生する。動力性能は0-60mph(約97km/h)加速が4.9秒、最高速度が190mph(約305km/h)で当然ながら標準車の5.1秒/184mph(約296km/h)を軽くしのぎ、最高速度はスピードと変わらず、0-60mph加速でわずか0.1秒遅れるのみだ。

 ドライバーズカーとして名をはせてきたベントレーだけに、後席を重視した新グレードが顧客にどう受け止められるのかは興味深いところ。ロングホイールベースをこよなく愛する中国の富裕層がメインターゲットなのかもしれないが、少なくとも客人を迎えても自分でハンドルを握りたい世界各国のスーパーリッチな方々には、新たな最高の選択肢のひとつになりそうである。

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